OODA:PDCAでは生き残れない

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PDCAの問題点

変わり続ける世界で勝ち残るためには、「PDCAサイクル」では弊害がありかえって事を悪化させます。

以下に紹介する、命をかけてオペレーションをしている軍隊で採用されている「OODAループ」と対比するとその優劣が明らかになります。

PDCA (Plan, Do, Check, Act)サイクルでは、まず最初に計画(Plan)を策定することが前提となっています。計画策定後に計画策定の前提が変化することがあります。前提が変わってしまっては計画は妥当でなくなっています。また、計画策定自体が困難であっても計画策定を強要しているために、不完全な計画を作ったり、結果的に無駄になる計画策定に時間を要したりしています。加えて、計画策定の時に過去の経験や合意した想定しか考慮できません。

評価つまりチェックの段階に至って現場からのフィードバックを聞きアクションを取りますが、それは計画を実行(Do)した後のことです。最初の計画の段階で現場と乖離した方針が決められてしまうと、方針転換をするには余計な労力が必要となります。このPDCAサイクルで取り決めたサイクルを回している間に、致命的な事態に至るリスクがあります。計画を前提としたサイクルを高速回転しても根本的な問題を解決できません。

PDCAのもう一つのリスクは「想定外の予期せぬこと(Unexpected)」を見逃すことです。計画が前提にあり内外の環境感知(Observe)と標定(Orient)をする情勢判断の過程がおろそかになっています。人間は潮目の変化に気づいても、それが何か納得しないと行動に移れない側面があります。行動の後のチェックで変化を気づいても手遅れです。変化が何かを見極め、直感も含めて決定(Decide)することをプロセスとして定めておかないと組織として対応するのは難しいのではないでしょうか。

また、PDCAでは評価(Check)をして改善(Act)をするとしていますが、特に多くの日本企業にある失敗を責任追及、犯人探しに結びつける文化では、評価、改善は実態として機能するのが難しいです。組織的に学ぶ環境(これを私どもはナレッジマネジメントと呼びます)を明示的に内包する必要があります。

激変環境の今日、旧来から特に日本で重用されてきたPDCAでは生き残れません。PDCAに振り回されPDCAの世界から脱却できない方々は、PDCAの一部見直し強化で凌ごうとしています。しかし変化する環境ではPDCAのコンセプト自体が限界にきています。

そもそも、米国でデミングが提唱し後年にPDSA(Plan, Do, Study, Act)と変更されたPDCAは、製品やプロセスの継続的な改善のステップです。これを一般的な思考や発想方法として演繹適用することに限界があると思われます。


OODAループ

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PDCAにかえて「OODA(Observe, Orient, Decide, Act)ループ」を回せるように思考を変えなければなりません。

OODA(ウーダと発音します)ループとは、米国空軍パイロットのジョンボイドが提唱した思考法、意思決定理論です。朝鮮戦争の空中戦で、味方一機が敵機十機を撃墜したと言われる方法が原点です。孫子の兵法やトヨタ経営方式を基に開発されました。

2003年のイラク戦争までに米国陸軍でも導入され、その後、米軍で全面的に採用され軍事の世界では標準になっています。絶対的な命令統制の軍隊がPDCAサイクルではなく、OODAループを採用しています。

そして現在、企業での適用が進んでいます。企業では、軍事のOODAループを演繹適用するとともに「ビジョン・戦略・活動方針:VSA」、「目標・評価・育成・褒章制度:GPDR」、「生産性向上/働き方・業務改革方法論:PMQIR」など多次元に渡る包括的な組織改革が必要になっています。


OODAループの実例

変化を「観察(Observe)」し「認識(Orient)」することで「情勢判断(センスメーキング、気づき、意味の形成による情勢判断)」を行い、 それに基づいて「決定(Decide)」して「行動(Act)」するというループを最速で回転させます。米軍はそれによって成功を収めました。それと同じように企業もPDCAサイクルから OODAループに移行する必要があります。

軍事の世界のアナロジで説明します。現在、地球上で最強の軍隊が 米軍ですが、彼らはベトナム戦争の時代には計画・実行・統制サイクルをベースに組織を運営していました。ホワイトハウスの「ウォールーム(戦略司令室)」で作戦指揮計画を立て、地球の裏側でそれを実行させるというやり方で動いていました。そして失敗しました。
911
911の時も「ウォールーム」から「シチュエーションルーム」に司令室の名前は変わったが、やっていることは同じでした。現場から離れた場所に幹部らが集まり、そこで議論して計画を立て、その計画を前線の部隊に実行させていました。依然として計画・実行・統制サイクルを回し、そしてやはり失敗したわけです。
Bin Ladin

それに対して2011年のウサマ・ビンラディンの急襲作戦で米軍はまったく違うやり方を取りました。この時もオバマ大統領をはじめとする安全保障会議の責任者たちは全員ホワイトハウスの地下にあるシチュエーションルームに詰めていました。しかし、そこで議論をしていたわけではなく、最前線の状況をモニターで見ていました。現場と情報を共有し、その場で意思決定を下し、そして作戦に成功しました。


これからの世界で「勝ち残る力:OODA」による思考

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「OODAループ」のコンセプトを日常のビジネスの世界に独自に適用して実績をあげているのが、私どもアイ&カンパニーが導入適用をご支援してきております「勝ち残る力:OODA」です。

「勝ち残る力:OODA」は、軍事のOODAループをもとに、私たちの日常のビジネスで役にたつ「これからの世界で勝ち残る意思決定と行動理論」として開発されたモデルです。ビジネスにおいて勝ち残るために有効な次世代の発想法、思考、組織と業務モデルなど包括的なものとなっています。これまでに、主要な大手先進企業に適用してきました。私どものクライアントは、組織能力を高め、抜本的かつ持続的な成長を実現させてきています。

「PDCA」と「勝ち残る力:OODA」

ここに示した「勝ち残る力:OODA」は、思考方法の特徴点をPDCAと対比して図式化したものです。OODAは、この他に組織や文化、業務、経営制度などの側面も異なってきます。また、計画をビジョン戦略の決定展開思考「ビジョン・戦略・活動方針:VSA」に転換するなど包括的な転換が必要です。

「勝ち残る力:OODA」の適用にあたっての注意点

「勝ち残る力:OODA」の本質は全ての次元において従来の論理的かつ分析的なアングロサクソン流のモデルと異なります。「勝ち残る力:OODA」は、組織構造や文化を含んだ包括的な転換を必要とします。

私どもの10年以上に及ぶ主要大手企業においての関与の経験からアドバイスできるのは、部分的な取り組みでは「勝ち残る力:OODA」の本質の理解を誤り弊害をもたらすということです。分析的に把握するのではなく、包括的に取り組む必要があります。

以下に「勝ち残る力:OODA」に基づく経営改革の例を紹介します。


ネットワーク中心戦「NCW」、パワートゥザエッジ「P2E」そして、第6世代OODA

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その後、OODAは米国空軍において、ネットワーク中心戦(NCW, network centric warfare)、パワートゥザエッジ(P2E)、そして第6世代OODAに展開され発展してきています。このモデルに基づいて構築したのが、第6世代経営戦略です。

時代は変わっています。現在、持続的な成長をし勝ち残っている企業は「勝ち残る力:OODA」で本質を見極めて経営をしています。

経営側の期待が先行し管理統制型になるPDCAを回している企業と差がつくばかりです。


自律分散型組織、ネットワーク型組織そして、ワクワクする組織

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「勝ち残る力:OODA」をビジネスに適用した組織には「自律分散型組織」「ネットワーク型組織」そして「ワクワクする組織」があります。これらの組織についての詳細は「自律分散型組織」「ネットワーク型組織」そして「ワクワクする組織」を参照ください。


ビジョナリーカンパニー:ビジョンによる心の統合

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「勝ち残る力:OODA」の重要な要素に、ビジョンによる心の統合があります。長期的な計画に置き換わるのがビジョンになります。概要を「ビジョン・戦略・活動方針:VSA」に紹介しています。


事業創成(イノベーション)方法論:RPAD

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イノベーションの実現(事業創成)においても、「勝ち残る力:OODA」をもとに次世代の方法論:RPADを開発し、大手先進企業に適用してきました。詳細は「事業創成方法論:RPAD」を参照ください。


自律分散・業務改革方法論:PMQIR

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企業文化を改革し、生産性を抜本的に飛躍させる方法論が「PMQIR」です。詳細は「生産性向上/業務改革方法論:PMQIR」を参照ください。


第6世代経営戦略

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時代は、第6世代OODAを踏襲した第6世代経営戦略を導入する段階になってきています。私どもの提言「第6世代経営戦略」を参照ください。


「勝ち残る力:OODA」の適用

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「勝ち残る力:OODA」を備えた組織へ転換するには時間を要します。短くて2年以上、多くの企業が5年ほどかけて組織転換を果たしています。

しかし、効果は絶大です。OODA型の企業とPDCAにこだわっている企業とでは差がつき、その差はますます広がっています。


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*「PMQIR」は私どもアイ&カンパニーの商標です。