RSU:制限付き株式付与業績給

評価・報酬制度の設計において重要なRSUの制度について以下に紹介します。


株式報酬

制限付き株式付与(RSU、restricted stock units)が、業績給の制度として、アメリカの企業では普及しています。ボーナスの一部として、自社株自体を数年(通常4年)に分けてもらう権利が付与される制度です。

ストックオプションは株をある一定価格で購入する権利ですので、株を購入し売却しない限り利益も不利益も得られません。

RSUは、株自体を数年に分けてもらう権利ですので、実際に所得が生まれます。アメリカではトップ層になるとこの報酬分が大半を占めるようになり、長期的な視点で会社に貢献することを仕向けられます。

日本の役員業績連動給、株式報酬:
これまで、日本の役員報酬は、毎月同額の固定給でなければ、費用として認めないのが原則でした。2016年の税制改正大綱案では、業績に連動する報酬や株式で渡す報酬が、企業統治体制が整っている企業であることを条件に認めています。


RSU導入にはOODAループ導入が必要

従来の評価制度の限界

これまで多くの企業で採用してきた数値目標による評価制度に問題が顕在化しています。評価制度が形骸化しています。本来企業が集中すべきことから従業員の関心が離れてしまうなどの事態をもたらしています。

RSU導入には組織改革が必要

RSUは、組織改革とともに報奨制度を設計する必要があります。シリコンバレー企業が先行し導入してきたRSU。これらシリコンバレー等の先進企業はOODAループ導入により自律分散組織への組織改革がなされており、その上でRSU制度が活用されています。

現行の目標管理と評価制度のままではRSUは機能しません。目標管理と評価制度を見直すことで本来のRSU目的が機能します。

次世代目標管理:VSA
方針と目標が設定され、そのパフォーマンスが適正に認知され、褒賞としてのRSUに結びつけられることが重要です。方針や目標の設定については、次世代「目標管理:VSA」が有効です。中長期的持続的な成長に重点を置く次世代目標管理制度であります。

目標と評価・褒賞制度:
次世代目標管理は人事制度の一環として導入することが重要です。次世代人事評価制度が「目標設定・評価・育成・褒賞制度:GPDR」です。褒賞の一つとして RSUが位置付けれられますが、網羅的な制度を全体バランスを考慮して設計することが重要になります。


シリコンバレーを筆頭にした先進企業では、モチベーション向上、カルチャー改革、業績向上の成果を上げてきております。VSAやGPDRの導入により情熱を傾けて活躍する社員が中心となった自律分散の組織に転換しています。
・VSA:VSAによる方針管理や目標管理の見直し
・GPDR:GPDRによる目標評価制度及び業績給制度の設計導入



次世代目標管理:VSA



著作:アイ&カンパニー 
出典:本稿は2005年以来のシリコンバレーなどでのOODAループ実装実績に拠る提言です。
脚注:私たちは、OODAループを広義のOODAループ戦略一般理論つまりジョンボイド理論として定義しています。本論文はフィードバックに基づき随時、更新しております。

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