シチュエーションアウェアネス:気づきの方法論

Situation Awareness

シチュエーションアウェアネス Situation Awareness, SAとは、展開する環境を見極め気づくことです。

シチュエーションアウェアネスは気づきの方法論です。状況認識の方法です。状況を監視、観察したり、色々な人から話を聞いたり、収集した資料に目を通したりして、潮目の変化、それまでの理解や思考の違いを明らかにさせます。

シチュエーションアウェアネスは、軍事の分野で研究されてきました。最近は自動運転技術の状況認識の分野でも研究が進んでいます。

早期の気づきにより、早い行動、臨機応変な行動を可能とさせます。


シチュエーションルーム

アメリカのホワイトハウスでは、シチュエーションアウェアネスを行うために、地下にシチュエーションルームを設けています。世界の状況をリアルタイムで掌握できるIT機器が使われています。

US President Donald Trump receives a briefing about the hurricane situation in Puerto Rico on Sept. 26. (provided by White House)


知覚の限界

みなさんは内外環境の動きを知り、潮目の変化に気づいていますか? 変化などに気づいていると思い込んでいませんか?

気づきに完全はありません。その思い込みに危うさがあります。状況を把握して気づくために重要なのは、私たちの環境を理解する力、認知能力が完全ではないと知っていることです。謙虚であることで、感性が研ぎ澄まされます。

ジョンボイドは、この人間の認知力が不完全であることを説得するために、アナロジーとして数学理論からゲーデルの「不完全性定理 」と量子力学からハイゼンベルクの「不確定性原理」を持ち出してきます。


ゲーデルの「不完全性定理 」

ゲーデルの「不完全性定理 」Gödel’s Incompleteness Theorems によると、数学的に完全なとらえ方はありません。▶︎ゲーデルの不完全性定理

この定理を人間の認知の世界に転移学習するとすると、完全な環境の把握はできません。随時マーケットなど環境で新しい発見があったら、それまでの理解を見直していく必要があります。


ハイゼンベルクの「不確定性原理」

ハイゼンベルクの「不確定性原理」 Uncertainty Principleによると、量子の位置付けを確定することはできません。▶︎ハイゼンベルクの不確定性原理

この原理を人間の認知の世界に転移学習するとすると、モノゴトの位置付けと動きを正確に知ることはできません。暫定的な位置付けの把握や思考を、随時、変化を気づいたら見直していく必要があります。


OODAループに興味を持たれた方へ

日本人向けにOODAループを簡単に紹介した書籍を上梓しました。100年以上読まれるような本となるように長年の実証研究と企画、執筆を通して完成させました。

組織向け入門書:「OODAマネジメント」フォレスト出版
個人向け入門書:「OODAループ思考」ダイヤモンド社