OODAループ:PDCAでは生き残れない


計画を立てても、目的が達成されなければ意味がありません。計画を立てることが目的ではありません。夢を実現し成功することが目的です。

OODAループ (OODA Loop) は、直観等を活かした臨機応変の判断力と、その学習の技術です。

OODAは、人工知能AI の開発にも使われています。AI に人間が勝ち残る力を明らかにし、認知科学、意思決定理論にも影響をあたえています。

OODAループとは、判断のプロセスを示す以下の英語のイニシャルです:
  Observe = みる
  Orient    = わかる
  Decide   = きめる
  Act   __ = うごく
ウーダとよびます。

OODAを身につけ、ビジネス、仕事そして人生で成功している人が増えてきています。


計画と戦略の違い
戦略と計画の違い」の詳細については、こちらを参照ください。

実務者向けOODA
本稿では、仕事そして人生で使える実務者向けOODAを紹介していきます。

経営者向けOODA
経営者向け「OODA:管理統制では生き残れない」は、こちらを参照してください。

OODAの概要
OODAの概要「OODAループ:みる・わかる・きめる・うごくは、こちらを参照ください。

OODAの基礎理論

ジョンボイドは、OODAループの理論構築において、人類史に残る主な戦争でとられた戦略、孫子の兵法をはじめとする戦略論、数学、物理学、そして認知科学(人間の認知能力)に関連する文献を参考にされています。

OODA:基礎理論」については、こちらを参照してください。


本稿執筆にあたりジョンボイドの著作と主な関連文献を参考にしています。

OODA:ジョンボイドの著作とその他の参考文献」については、こちらを参照してください。


OODAの歴史、PDCAの歴史

OODAループ

OODAは、世界(アメリカ、NATO北大西洋条約機構など)の軍隊で使われています。それまでの軍隊は絶対的な指揮命令統制にしたがい命をかけて行動していました。OODAが西側の軍事戦略を全面転換させました。

その歴史を考察することはOODAの本質の理解の手助けになります。

OODA:世界の軍事戦略を全面転換の歴史」は、こちらを参照してください。


IDAサイクル

一方、日本の自衛隊ではOODAではなく、IDAサイクルを重視しているそうです。情報 Information 、決心 Decision、実行 Action の頭文字です。OODAとの一番の違いは、Orientation=わかるが抜けていることです。


PDCAサイクル

PDCAは日本人が考え出しました。デミングはこのPDCAを批判していました。加えて当初のPDCAはいま日本で使われているものと違っていました。その歴史を振り返ることによって、PDCAの趣旨や扱い方が見えてきます。

PDCA:デミングが問題を指摘していた歴史」は、こちらを参照してください。


PDCAが日本を壊す

上司が部下の作った資料を何度も突き返す古い時代は終わりました。


想定外のことが起きない世界

PDCAサイクルは古いという論調もあります。が、想定外のことが起きない世界では今でも有効な考え方です。ただ現実には、変化のない世界はありえない状況です。実験室で行われる実験であっても想定外のことが起きます。全ての変化が予測でき想定できるとは考えられません。

PDCAが評価されているのは、結果を振り返り、継続的に改善を極めるところです。この点は古いといって否定すべきではありません。フィードバックは重要なのです。

ただしPDCAでは完全な計画が作られるかが問題です。計画に対してチェックして改善することから完全な計画が求められます。そして完全な計画ができたとして、環境は変化します。実施結果のチェックで過去の計画を元にチェックすることになります。お客様の視点など展開する外部環境の動きを放置しかねません。

OODAは、結果をフィードバックするだけではなく、それと同時に最新の状況展開をみて認識を見直していきます。


想定外のことが起こる世界

想定外のことが起こる世界では、PDCAは計画を立てることに固執してしまい足を引っ張ります。PDCAは勝ち残るどころか弊害があり、かえって事を悪化させます。企業の崩壊までももたらしかねません。

日本では未だ多くの方々が、あらゆる場面で「PDCAを使え」といわれます。そして「PDCAを回せ」「PDCAを速く回せ」といいます。しかし、PDCAは限定された場面でしか有効ではありません。すべてが制御できる環境下でしか適用できないのです。これは速く回しても対処できません。

PDCAサイクル:概要と実際」については、こちらを参照ください。

PDCA:問題点と致命的な欠点」については、こちらを参照ください。


想定外のことが起こる世界:OODA

想定外のことが起こるVUCAの世界ではOODAが有効です。

変化するいまの世界では、私たちが日常どのような状況ではどのように考えて行動したらいいかを明らかにしておくことが重要です。この想定外の世界を定義して適応法を示すのが VUCAフレームワーク VUCA Framework です。

VUCAフレームワーク」の詳細は、こちらに紹介しています。


PDCAとOODAの比較

PDCAは戦後日本人が考えた品質統制の方法でした。OODAは人間の思考力と行動力の技術です。両者は、目的が異なり代替関係にあるものではありません。PDCAからOODAへという議論は当てはまりません。

しかし、ビジネス全般で使われるようになったPDCAを、OODAと対比するとその特徴と優劣が明らかになります。

PDCAとOODAとは、認知方法、思考法、制度、価値観、風土、役割分担からリーダーシップまであらゆる側面で異なります。

PDCAとOODAの違い」の詳細については、こちらを参照ください。


PDCAとOODAの違いは、軍事の具体例や石橋の渡り方、受験勉強の仕方に例えて説明するとわかりやすいと思います。

「PDCAとOODAの違い:軍事の事例についてはこちらを参照してください。
「PDCAとOODAの違い:石橋の渡り方についてはこちらを参照してください。
「PDCAとOODAの違い:受験勉強の仕方」については、こちらを参照ください。


「失敗の本質」を改められないPDCAの欠点

歴史的に日本の組織、特に日本軍は昭和初期に入って弱くなりました。

現実から離れた希望的な認識です。そして、理不尽な精神論による過剰な忠誠心の強要です。これが第二次世界大戦での失敗の本質です。

鎌倉時代から受け継がれた武士道が歪められたのです。

PDCAは、この希望的な環境認識、精神論、忠誠心を助長することはあっても、制することはできません。日本の組織の失敗の本質を改めることなく、踏まえて強化させかねません。

この意味で第二次世界大戦の失敗の本質を助長しかねません。旧来の意思決定力だけに頼ることに問題があります。


PDCAの欠点を補完するOODA

OODAはPDCAを否定するものではありません。

PDCAの弱点を補強し、勝ち残る力を与えてくれるのがOODAです。PDCAの欠点を補完してくれます。

また、PDCAを置き換えてもくれます。

OODAは日本の組織の弱点を補完し強化するのに非常に有効であり必須の方法です。

堅牢な世界観を自らが持つことにより自己を確立し、日本の組織の失敗の本質を改めます。特に、ビジョンから戦略そしてその実行を進める演繹的な仮説検証アプローチの強化にOODAが有効です。

PDCAに固執せずに、OODAを取り入れることが求められています。

PDCAの欠点を補完するOODA」の詳細については、こちらを参照ください。


OODAの思考によって、はじめて変化するVUCAの時代に勝ち残ることができます。

時代は変わっています。現在、勝ち残り持続的な成長をしている企業はOODAの本質を見極めて経営に活かしています。

経営側の期待が先行し管理統制型になるPDCAを回している企業とは、差がつくばかりです。


OODAの適用機能領域

適用機能領域は、ほぼ全ての領域におよびます。

経営、経営企画、事業開発、商品企画、商品開発、製品開発、設計、エンジニアリング、サービス開発、営業企画、マーケティング、営業、販売、生産技術、製造、生産管理、建設、調達、購買、物流、サービス、品質管理、リスク管理、人事、経理、デジタル、情報システムITなどです。


ビジョンと自己実現

OODAの重要な要素に、組織の夢・ビジョンと一人ひとりの心、メンタルの問題があります。

一人ひとりの自己実現と組織の夢・ビジョンを一つに統合できて初めて、組織が勝ち残って行くことができます。

日本企業が心血を注いで策定している中期経営計画事業計画目標管理は、形骸化されがちです。形式的な手続き、計画が優先されてしまいます。本当の目標が見失われています。

これらに取って代わるのがOODAわかるで頭の中に作られる世界観:VSMAです。

世界観:VSMAは、ビジョン・自己実現と紐付けて主体的に考えた頭の中のイメージです。上司とビジョンなどを共有することにより、日常の判断の拠り所を与えてくれます。

世界観:VSMA」の詳細は、こちらに紹介しています。


OODA:よくある誤解

OODAループという言葉を聞かれたことのある人は増えてきました。しかし、ほとんどの方がその内容について誤解されています。

OODAループは様々な文献や記事などで紹介されています。しかし、表面的な理解によって大きな誤解をされているのが散見されます。

誤解によってOODAの実行に時間を要して効果を享受できないことのないようにしなくてはなりません。

これまでに気がついたOODAループの誤解の例を以下に列挙します。

「OODAを高速で回せ」という誤解

誤解の一例が、OODAも単純にサイクルを高速で回せばいいという議論です。

PDCAを爆速で回せといった意見に影響されているようです。これではPDCAと変わりません。無駄な動きになりかねません。回すだけで疲れてしまいます。

「情勢判断、方向づけ」という誤解

OODAの二番目のO:Orientは「情勢を判断」するだけではありません。「理解」でも「方向づけ」だけでもありません。情勢判断、方向付けは一部でしかありません。「わかる」ことです。

形式主義の固定観念

日本では、ポジティブリスト方式で計画やルールを定め行動を統制する歴史的な文化が今も脈々と続いています。

ネガティブリスト方式で思考の自由度を高めるのがOODAです。これだけはできないという規制です。これ以外は制約がありません。

これら「OODA:よくある誤解」の詳細については、こちらを参照ください。


日本企業へのOODA適用の成果

日本企業へのOODA導入適用の成果については、こちらを参照ください。


OODA関連論文の公開

日本が再興するためにお役に立ちたいと考え、本稿等の論文を公開します。

OODAに関する主な論文とその要約は、こちらを参照してください。


OODA研修セミナー

OODAの実践を体感するOODA研修セミナーの詳細については、こちらを参照ください。


OODA本の出版:アンケートのお願い

OODAの考え方を日本の企業や組織に浸透していくことを期待する声が高くなってきています。このような要望に応え、OODA本の構想を練ってまいりました。

現在、みなさま方と一緒に書籍を作って行くために、本の内容についてご要望ご意見などをお伺いしております。

アンケート」をこちらにてお願いします。ホワイトペーパーをお礼に贈呈します。


お問い合わせ

「研修セミナー」「講演」「経営コンサルティング」「助言」などのお問い合せは、こちらへお願いいたします。

 

著者:アイ&カンパニー 入江仁之
脚注:本論文はビジネスにおけるPDCAとOODAの適用について議論しています。
脚注:PDCAの品質統制での適用について議論をするものではございません。
脚注:また、OODAの軍事適用について議論するものでもございません。
脚注本論文はフィードバックに基づき随時、更新しております。
脚注OODAセミナー・講演・研修の詳細はこちらを参照ください。
出典:本論文の参考文献こちらを参照ください。
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