OODAループ:PDCAでは生き残れない

OODA(ウーダ)ループとは、直観等を活かした臨機応変の判断力と、その学習の技術です。生産性向上や人生の成功を実現します。

人工知能AI に人間が勝ち残る力を身につける方法論としても注目されています。

米軍が開発しました。絶対的な指揮命令統制で命をかけて行動する軍隊で適用されています。欧米主要国の軍隊で使われ、ビジネスでも適用されています。

OODAは判断のプロセスを示す以下の英語のイニシャルです:

 Observe =  みる
 Orient    =  わかる
 Decide   =  きめる  (Hypothesize = おもう)
 Act   AO =  うごく  (Test    。。    = ためす)


みる(観察)、わかる(見当)、きめる(決定)、うごく(行動)を光速で行います。高速ではありません、光速で判断します。

また、おもう(仮説)、ためす(実験)により、学習をします。

判断も学習も、起点になるのはわかることです。

図示すると以下のようになります:


みるわかる:気づきの方法論「センスメイキング」

みる」とともに「わかる」のは、気づき、情勢判断による意味づけ、センスメイキングとも言われています。

気づきの方法論センスメイキング」の詳細は、こちらに紹介しています。


わかる次世代思考モデル VSMA™

わかる」ためには、自分が理解し感情的にも納得するにたる拠り所を持つ必要があります。この腑に落ちるようにしてくれるのが、ビジョン・自己実現と紐付けて考える方法です。このように考える思考回路が次世代思考モデル:VSMA™です。その場での判断の拠り所を与えてくれます。

次世代 思考モデル:VSMA™」の詳細は、こちらに紹介しています。


おもうためす:実験と訓練の方法論

気づいてすぐに行動できるようになるためには学習が必要です。事前に実験や訓練を繰り返し行います。これが実験と訓練の方法論です。「おもった」ことを「ためし」ます。

実験と訓練を通して瞬時に行動することが可能となります。

実験と訓練の方法論」の詳細は、こちらを参照ください。


OODAの理論的根拠

OODAは、アメリカ空軍パイロットであったジョン ボイドにより開発されました。
(ボイドの著作原典については、こちらを参照ください。)

ボイドがOODA理論を開発するにあたり参考としている主な理論には以下のものがあります。

軍事戦略論:
孫子の兵法*」
宮本武蔵の五輪書
クラウゼヴィッツの戦争論*」など

数学理論:
ゲーデルの不完全性定理†」など

物理学(熱力学、量子力学):
熱力学第二法則 †」
ハイゼンベルグの不確定性原理 †」など

経営理論:
「トヨタ生産方式」
トヨタ開発方式」など

*ただし、ボイドは、紀元前500年に孫子の兵法を書いた孫武や、1832年に戦争論を書いたクラウゼヴィッツの門下生にならないようにと助言しています。これらの理論ができた後、多くのことが起きており理論は見直されなくてはなりません。

†理論は不完全であり決して完全にはなりえません。ボイドは、ボイド理論を聖書や教義のように敬って扱うことを戒めています。自分があらゆる分野から興味深い思考を学び、自分の考えを発展させることをすすめています。
世の中には多くのノウハウ、スキルの理論があふれています。しかしそのようなノウハウ本に頼っていては、コトの本質を見逃し形式的な理解に終わってしまいかねません。それらを参考としても、自ら考え学習することで自分の考えを見直し発展させて行くことができます。

ボイドが参考にした文献リストは、こちらを参照ください。


OODAの歴史

OODAの原点は、朝鮮戦争の空中戦で、ジョン ボイド大佐率いる味方一機が敵機十機を撃墜した戦果の理由の研究です。

OODAは2003年のイラク戦争までにアメリカ陸軍で導入され、その後アメリカ軍全軍で全面的に採用されています。今日ではNATOをはじめ世界各国の軍隊で採用され軍事の世界では標準になっています。

そして、ビジネスの世界でも適用が進み、モチベーションを高めて劇的かつ継続的に生産性を上げるという成果を上げてきています。


PDCAが日本を壊す

上司が部下の作った資料を何度も突き返す時代は終わりました。


想定外のことが起きない世界での行動

「PDCAサイクルは古い」という意見もありますが、想定外のことが起きない世界では今でも有効な考え方です。ただ、変化のない世界は現実にはほとんどありえない状況です。全ての変化が想定できるとは考えられません。


想定外のことが起こる世界での行動

想定外のことが起こる世界では、PDCAは勝ち残るどころか弊害がありかえって事を悪化させます。企業の崩壊までももたらしかねません。

日本では未だ多くの方々が、「PDCAを回せ」、「すべての場面でPDCAを当てはめよ」といわれます。しかし、PDCAは限定された場面でしか有効ではありません。すべてが制御できる環境下でしか適用できないのです。また速く回しても限界があります。

PDCAサイクル:真実と致命的な欠点」の詳細については、こちらを参照ください。

想定外のことが起こる世界(複雑あるいは混沌の世界)ではOODAのコンセプトが有効です。

私たちが日常、どのような状況ではどのように考えて行動したらいいかを明らかにするのが「状況・行動フレームワークSituations Actions Framework」です。どのような状況下でどのように判断しどう行動したらいいかを示してくれます。状況を想定内と想定外および行動を瞬時と持続で分類されていることから、対応すべき状況を重複がなく網羅して分類しMECEになっています。

このフレームワークにより、想定外のことが起こる変わり続ける世界ではOODAのコンセプトが有効であることが示されています。

状況・行動フレームワーク」の詳細は、こちらに紹介しています。


PDCAとOODAの比較

PDCAとOODAは目的が異なり代替関係にあるものではありません。しかし、PDCAをOODAと対比するとその特徴と優劣が明らかになります。

PDCAとOODAとは、制度、価値観、風土、役割分担からリーダーシップまであらゆる側面で異なります。

PDCAとOODAの比較」の詳細については、こちらを参照ください。

PDCAとOODAの違いは、「石橋の渡り方」などに例えてみるとわかりやすくなります。

PDCAとOODAの違い:石橋の渡り方」については、こちらを参照ください。


PDCAの欠点を補完するOODA

PDCAの欠点を克服し、勝ち残る力を与えてくれるのが、OODAです。PDCAの欠点を補完してくれます。特に、日本企業が弱かったビジョンから戦略そしてその実行の領域をOODAがカバーしてくれます。

特に日本企業は、PDCAに固執せずに、OODAを取り入れることが求められています。旧来の意思決定力だけに頼ることなく環境に適した瞬時の判断力をはじめとした新たな思考力を活かして、はじめて勝ち残ることができます。

PDCAの欠点を補完するOODA」の詳細については、こちらを参照ください。

時代は変わっています。現在、持続的な成長をし勝ち残っている企業はOODAの本質を見極めて経営に活かしています。

経営側の期待が先行し管理統制型になるPDCAを回している企業とは、差がつくばかりです。


その瞬間の判断力

ビジネスにおいて何よりも重要なのが、その現場でその現物と現実に直面したその瞬間の判断です。現地での現物に対するその瞬間の判断が全てを決します。OODAは、意思決定に加え直観を駆使して判断をしていきます。

判断」の詳細については、こちらを参照ください。

その現場での臨機応変な判断には技術がありました。OODAを適用することによってはじめて瞬時の判断力を身につけることができるのです。

難解なOODAも、その瞬間の臨機応変な判断力という切り口で説明するとわかりやすくなります。

臨機応変の判断力」の詳細については、こちらを参照ください。


OODAの事例

アメリカ軍そしてNATO軍は、OODAの考え方により戦略を全面的に転換させました。そして湾岸戦争などで多くの成功を収めています。それと同じように先進企業はPDCAから OODAに転換しています。日本では知られていませんが、すでにアメリカ シリコンバレーのIT企業はOODAでオペレーションをしています。

OODAを理解いただくために、軍事の具体例を用いて説明します。現在、地球上で最強の軍隊が 米軍ですが、彼らはベトナム戦争の時代には計画・実行・統制サイクルをベースに組織を運営していました。ホワイトハウスの「ウォールーム(戦略司令室)」で作戦指揮計画を立て、地球の裏側でそれを実行させるというやり方で動いていました。そして失敗しました。

911911の時も「ウォールーム」から「シチュエーションルーム」に司令室の名前は変わりましたが、やっていることは同じでした。現場から離れた場所に幹部らが集まり、そこで議論して計画を立て、その計画を前線の部隊に実行させていました。依然として計画・実行・統制サイクルを回し、そしてやはり失敗したわけです。

Bin Ladin

その後の2011年ウサマ・ビンラディン急襲作戦では、米軍はまったく違うやり方の戦略を取りました。この時もオバマ大統領をはじめとする安全保障会議の責任者たちは全員ホワイトハウスの地下にあるシチュエーションルームに詰めていました。しかし、そこで議論をしていたわけではなく、現場である最前線の情況をモニターで見ていました。現場と情報を共有し、その現場で究極の決定的な瞬間に判断がなされ、作戦に成功しました。


第6世代OODA:第6世代経営戦略

その後OODAは、米国空軍において次世代のモデルそして第6世代OODAに展開され発展してきています。以下のようなモデルが導入されています。

ネットワーク中心戦 (NCW, Network Centric Warfare)

パワートゥザエッジ (P2E, Power to the Edge)

次世代OODAに基づいて構築したビジネスOODAのモデルが、第6世代経営戦略です。時代は、第6世代OODAを踏襲した第6世代経営戦略を導入する段階になってきています。

第6世代OODA」そして「第6世代経営戦略」の詳細については、こちらを参照ください。


OODAループの誤解

OODAループという言葉を聞かれたことのある人は増えてきましたが、ほとんどの方がその内容について誤解されています。

その代表的なものが、OODAも、PDCAと同様に、単純にサイクルを高速で回せばいいという理解です。PDCAを爆速で回せといった意見に影響を受けているようです。

ビジネスの実践で使われるOODAは、ダイナミックで高速化された光速OODAともいわれているものです。

OODAループの誤解」の詳細については、こちらを参照ください。

光速OODA」の詳細については、こちらを参照ください。


ビジネスで使われるOODA

私たちの日常のビジネスで役に立つOODAは、軍事OODAをもとに「これからの世界で勝ち残るための判断力」として開発されたモデルです。特にビジネスOODAといわれています。

ビジネスOODAは、OODAのコンセプトを日常のビジネスの世界に独自に適用して実績をあげてきました。

ビジネスにおいて勝ち残るために有効な次世代の発想法、認知心理学、行動経済学、思考法、動機付け、組織と業務モデルなど包括的なものとなっています。

これまですでに日本の主要な大手先進企業がビジネスOODAを適用してきております。これら先進企業は、現場が判断力を行使して主体性を発揮できる組織となり、抜本的かつ持続的な成長を実現させています。


判断ができない日本の組織

日本企業

残念ながら多くの大手日本企業は、歴史を積み重ねてくると同時に、現場で判断力を行使させることができなくなってきました。社内の空気や政治に気遣い、規定やマニュアルに縛られ、指揮し命令を出す上位組織からの指示を待つ風土が根付いています。大企業病です。

日本の官僚組織

官僚組織も全く同様です。ほとんどの事柄が法令や前列で縛られています。これらに準拠しないことが認められない空気があります。空気に支配され思考停止にさえなっています。

日本の組織への処方箋:OODA

VUCAの時代の今日、想定していなかったことが起き、取り返しのつかない事態になることが頻発しています。判断を遅らせるこれら組織的な風土を変えると同時に、判断をする能力を強化していかなくてはなりません。

この組織改革の道しるべとしてOODAが活用できます。


OODAの適用にあたっての注意点

OODAの本質は全ての次元において従来の論理的かつ分析的なアングロサクソン流のモデルと異なります。

OODAは、組織構造や制度、文化を含んだ包括的な転換を必要とします。

幸いなことにOODAは現場主義などの日本的な文化を基盤にしています。部分的な欧米流の経営理論から包括的な現場主義の経営への転換が肝要となっているのです。

私どもが10年以上に及び主要大手企業においてOODA導入に関与してきた経験から、以下のアドバイスができます。

部分的な取り組みではOODAの本質を理解することが困難です。一部の誤解が混乱をもたらします。分析的に把握するのではなく、包括的に取り組む必要があるのです。

ここでは、以下にOODAに基づく企業改革の事例を紹介することによりビジネスでのOODAの使い方の説明とします。


自律分散組織、ネットワーク組織、そしてワクワクする組織

ビジネスOODAを組織に実装するためには意識改革を含めた企業改革が必要です。OODAをビジネスに適用した組織モデルには「自律分散組織」「ネットワーク組織」そして「ワクワクする組織」があります。

これらの組織についての詳細は以下の各々の組織モデルを参照ください。

自律分散組織

ネットワーク組織

ワクワクする組織


ビジョンと自己実現

OODAの重要な要素に、組織の夢・ビジョンと一人ひとりの心の問題があります。一人ひとりの自己実現と組織の夢・ビジョンを一つに統合できて初めて、組織が勝ち残って行くことができます。

日本企業が心血を注いで策定している中期経営計画や目標管理を置き換えるべきなのが「ビジョン・戦略・方針:VSA™」です。

次世代 目標管理方法論:VSA™」の詳細は、こちらを参照してください。

判断力を強化するには効果的な方法があります。ビジョン・自己実現と紐付けて考える方法です。この考える方法が次世代思考モデル:VSMA™です。その場での判断の拠り所を与えてくれます。

次世代 思考モデル:VSMA™」の詳細は、こちらに紹介しています。


次世代 事業創成方法論:RPAD™

アメリカの起業家エリック・リースが提唱するリーンスタートアップも、トヨタ生産方式を研究しOODAのコンセプトに影響を受けて、起業(スタートアップ)の方法を構築しています。

私どもは、大手企業におけるイノベーションの実現や事業創成において、OODAを実装し実績をあげてきました。これらの知見に基づき、OODAをもとにエコシステムの創出、システムロックイン戦略の構築などを包括的に扱う次世代の事業創成方法論:RPADを開発しております。RPADは、大手先進企業に適用しその有効性が実証されています。

次世代 事業創成方法論:RPAD™」の詳細は、こちらを参照ください。


次世代 生産性向上方法論:PMQIR™

OODAで生産性向上が実現します。自律分散により一人ひとりがモチベーションをあげ、やりがいを持って仕事ができる企業文化を作り上げ、生産性を飛躍的に向上させます。

次世代 生産性向上方法論:PMQIR™」が具体的にその道筋を示してくれます。昨今ブームとなっています「働き方改革」を包含し生産性向上を実現させてくれます。

次世代 生産性向上方法論:PMQIR™」の詳細は、こちらを参照ください。


OODAの実装

OODAを備えた組織へ転換するには時間を要します。多くの企業が5年ほどかけて組織転換を果たしています。

加えて、OODA実装の方法も従来の方法と異なります。現状分析し実行計画を策定してから導入するといった従来のPDCAの方法で進めていては、OODAの考え方を最初から否定して阻害したままでOODAの導入になりません。

しかし、成功裏にOODA実装ができると効果は絶大です。OODA型の企業とPDCAにこだわっている企業とでは差がつき、その差はますます広がっています。退場している企業がPDCA型企業がであることからも明らかです。

先進企業がOODAの実装に取り組み、成果を出してきています。

OODAの実装」に取り組む際の論点については、こちらを参照してください。


OODA 本の出版

私たちアイ&カンパニーは10年以上にわたりOODAやPDCAを先進企業に実装するお手伝いをしてまいりました。あわせて本稿や講演などをとおして多くの意見をいただいてきました。これらを踏まえ日本社会をよりよくするために、OODA本の構想を練ってまいりました。

現在、みなさま方と一緒に書籍を作って行くために、本の内容についてご要望ご意見などをお伺いしております。

アンケート」をこちらにてお願いします。ホワイトペーパーをお礼に贈呈します。

アイ&カンパニー・ジャパン
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出典:本論文の参考文献こちらを参照ください。