OODAループ:PDCAでは生き残れない


日本だけで使われているPDCA。計画を立てても、目的が達成されなければ意味がありません。やらされていては幸福ではありません。優先すべき本質が見失われています。

OODAループとは、世界最速の思考法にして世界最強の戦略の一般理論 grand theoryです。お客様や上司そして恋愛相手など相手の心と自分そして状況をみて、思い込みや形式にとらわれないで本質を認め、直観等を活かして臨機応変に動くことにより、夢を実現させます。

数学から心理学、物理学、生物学、情報工学、宇宙論、人類史上の戦略と兵法におよぶ研究に基づいています†。

†Boyd, John Richard (1992) Conceptual Spiral P9 – P12

軍事

軍事の世界でOODAループは生まれました。アメリカ空軍で作られ全軍でOODAが運用されています。そしてヨーロッパNATO軍を含め世界の軍事戦略を大転換させました。湾岸戦争でOODAループの戦略が使われ大きな貢献をしました。


ビジネス

ビジネスでも普及し、アメリカでは、ほとんどのビジネススクールでもOODAが教えられています。アメリカのシリコンバレーを中心に使われているデザイン思考リーンスタートアップはOODAの理論が基盤にあります。

私たちは2005年からOODAをビジネスに適用をはじめ、先行した企業は組織が活性化し生産性が10倍以上になっています。


政治

政治でもOODAが使われています。好みは分かれますがトランプ大統領は、OODAループを実践して大統領選に勝利しました。


AI 人工知能

AI 人工知能の開発でもOODAは使われています。AI 人間が勝ち残る力を明らかにし、認知科学、意思決定理論にも影響をあたえています。


恋愛、就職活動、受験勉強

恋愛、就職活動、受験勉強など身近なところでもOODAが効果を発揮します。結果を出すためにどうしたらいいかを教えてくれます。


幸福

幸せになるためにOODAは有効です。OODAは人そして組織を幸せにすることができます。社会的な意義のある成果を起点にして実現方法を考え実行し成長し認められていくことが幸福なのです。


OODAループ:五つのプロセス

OODAループは宮本武蔵に影響を受けて作られました。OODAループは人間であれば誰もが行なっている五つのプロセスです:
Observe = みる
O
rient    = わかる
Decide   = きめる
Act   _    = うごく
Loop       = みこす/みなおす
OODAの四つではなくループが加わり五つです。宮本武蔵五輪書に影響を受けてOODAループを五つのプロセスにしています。

OODAループの画像を紹介します:

OODA Loopの本質を表す日本語ですが、「みる・わかる・きめる・うごく・みなおす/みこす」というヤマト言葉が的確です。漢語では、みる Observe:監視/観察/診断 、わかる Orient:標定/状況把握/情勢判断/状況判断/見当づけ/方向付け/情勢適応、きめる Decide:意思決定/決断/決定/決心、うごく Act:行動/実行、Loop:フィードバック/フィードフォワードとなります。
OODAの読み方ですが、当初はジョンボイドが「オーオーディーエイ」と呼んでいました。現在アメリカでは、「ウーダ」と呼ぶ人が多いです。

世界の戦略の大転換

それまでの米軍の戦略論はクラウゼウィッツを代表とした欧米の戦略論に影響を受けていました。トップダウンの指揮統制を前提として行う敵軍に大打撃を与える戦略でした。これは自軍の部隊の疲弊そして血の海を作ることになる問題がありました。

OODAループは相手の心の状態の本質を見極めます。武蔵の思想を取り込み、敵の心の底を抜くことが勝つことの本質とします。相手をみて、相手の心をわかった上で、うごくのです。

米軍全軍はOODAループを全面適用し、敵への大打撃を目的とする消耗戦から、相手の意思決定者の戦闘意思をターゲットとした詭道戦に転換しました。


トヨタ、孫子の兵法

OODAループは、孫武そしてトヨタ生産方式にも大きな影響を受けています。

OODAループを作った元米軍大佐ジョンボイドは、空軍での講義でトヨタ生産方式に影響を受けていることも具体的な例を出して説明しています。


OODAループ成功の原則

OODAループは、単なる五つのプロセスではありません。各々のプロセスに成功原則があります。

OODAループを高速で回すのは誰もが理解し取り組んでいます。しかし、なかなか決断できないで行動できません。これがOOスタックです。実際に行動できない問題を解決し夢を実現するため、OODAループの成功原則は、個人で12原則、組織で12原則あります。

成功原則の一つが、相手の心を動かすこと。軍事の場合には敵国の指導者、ビジネスの場合にはお客様や上司、恋愛であれば恋愛相手、就職であれば採用面接者の心を動かせば成功するのです。



失敗を回避するOODA

歴史的に日本の組織は、昭和初期に入って弱くなりました。第二次世界大戦で日本軍が失敗した本質は、その後、現代の日本の組織になっても、大小の差はあっても受け継がれています。

空気を読むことを要求され、現実からかけ離れた希望的な状況の認識が行われました。そして、過剰な精神論による現状打破の強要です。これが第二次世界大戦での失敗の本質です。

このような失敗の本質は昭和初期になって出てきたものです。

日本は鎌倉時代から武士の国でした。武士道では、勝ち残り社会を治めるため、品格を重んじ、現実の本質を観て、効果的な行動をすることが重視されます。この考えが、武士だけではなく国民全般で受け継がれてきました。

昭和初期になって日本軍は、武士道を悪用して忠誠心を過大に取り上げて組織を運営しました。武士道が歪められたのです。

戦後も、この希望的な環境認識、精神論、理不尽な忠誠心などは見直されることがなく日本の組織に残っています。例えば、PDCAが計画を強要するように使われることは、日本の組織の失敗の本質につながります。第二次世界大戦の失敗がみなおされていません。

OODAを導入することにより、一人一人が本質を見極め主体的に効果的な行動をできる環境を作ることができます。


OODAの基礎理論

ジョンボイドは、OODAループの理論構築において、人類史に残る主な戦争でとられた戦略、宮本武蔵の五輪書、孫子の兵法をはじめとする戦略論、数学、物理学、そして認知科学(人間の認知能力)に関連する文献を参考にされています。

OODA:基礎理論」については、こちらを参照してください。

本稿執筆にあたりジョンボイドの著作と主な関連文献を参考にしています。

OODA:ジョンボイドの著作とその他の参考文献」については、こちらを参照してください。


想定外のことが起こる世界:OODA

想定外のことが起こるVUCAの世界では特にOODAが有効です。

変化するいまの世界では、私たちが日常どのような状況ではどのように考えて行動したらいいかを明らかにしておくことが重要です。この想定外の世界を定義して適応法を示すのが VUCAフレームワーク VUCA Framework です。

VUCAフレームワーク」の詳細は、こちらに紹介しています。


OODAの適用分野

OODAが適用されている分野は軍事における空中戦の戦術にとどまりません。政策策定から戦略策定実行、軍事遂行のレベルまでカバーします。

OODAが適用されている分野は軍事に限りません。ビジネス、スポーツ、政治、行政、日常生活と広範におよびます。


OODAの適用機能領域

ビジネス分野へのOODA適用にあたって対象となる機能領域は、ほぼ全ての領域におよびます。

経営、経営企画、事業開発、商品企画、商品開発、製品開発、設計、エンジニアリング、サービス開発、営業企画、マーケティング、営業、販売、生産技術、製造、生産管理、建設、調達、購買、物流、サービス、品質管理、リスク管理、人事、経理、デジタル、情報システムITなどです。

リーンスタートアップ

起業のプロセスであります「リーンスタートアップ」は、OODAの思考法になっています。その成功原則がOODAにより示されています。

デザイン思考

商品企画・製品開発のプロセスであります「デザイン思考」も、OODAの思考法になっています。その成功原則がOODAにより示されています。

デザイン思考の詳細は、こちらを参照ください。


ビジョンと自己実現

OODAの重要な要素に、ビジョンがあります。

組織の夢・ビジョンと一人ひとりの心、メンタルが同じ方向に向いて動き出すと、劇的な生産性に加えて幸福感を味わえます。一人ひとりの自己実現と組織の夢・ビジョンを一つに統合できて初めて、組織が勝ち残って行くことができ流のです。

日本企業が心血を注いで策定している中期経営計画や事業計画、目標管理は、形骸化されがちです。形式的な手続き、計画が優先されてしまいます。本当の目標が見失われています。


これらに取って代わるのが頭の中に作られる「世界観:VSA」です。OODAのわかる Orient のプロセスで更新していきます。

世界観:VSAは、ビジョン・自己実現と紐付けて主体的に考えた頭の中のイメージです。上司とビジョンなどを共有することにより、日常の判断の拠り所を与えてくれます。

OODA理論を構築したジョンボイドは、最初にメンタルモデルについて論文を発表しています。また、ビジョンの重要性について講義しています。

世界観:VSA」の詳細は、こちらに紹介しています。


次世代 生産性向上方法論:PMQIR™

ビジネスにおいてOODAはお客様の心を動かすことを中心に生産性を向上させていきます。自律分散により一人ひとりが自らモチベーションをあげ、やりがいを持って仕事ができる企業文化を作り上げ、生産性を飛躍的に向上させます。

次世代 生産性向上方法論:PMQIR™が具体的にその道筋を示してくれます。昨今ブームとなっています「働き方改革」を包含し生産性向上を実現させてくれます。

次世代 生産性向上方法論:PMQIR™」の詳細は、こちらを参照ください。


OODA:よくある誤解

OODAループという言葉を聞かれたことのある人は増えてきました。しかし、まだ日本ではほとんどの方が軍事の意思決定法としてOODAをとらえています。アメリカではビジネススクールでOODAが教えられています。また、軍隊出身のビジネスマンも多いことから多くの企業で実践されています。

日本でも、OODAループは様々な文献や記事などで紹介されはじめています。しかし、表面的な理解によって大きな誤解をされているのが散見されます。

誤解によってOODAの実行に時間を要して効果を享受できないことのないようにしなくてはなりません。

以下に、これまでに気がついたOODAループの誤解の例を以下に要約します。

OODA:よくある誤解」の詳細については、こちらを参照ください。


「PDCAは古い、OODAが新しい」という誤解

PDCAは戦後の理論であるのに対して、OODAは有史以来の兵法の集大成です。

PDCAの歴史は、1951年に日本科学技術連盟が提言した統計的品質管理から始まりました。経営全般や教育などに使うようにと言われ始めたのは2000年以降です。

OODAの歴史は、紀元前1600年に起きた「夏」を「殷」が倒した戦い以降の戦史の研究に基づいて1996年にOODAループが発表されました。


「OODAを高速で回せ」という誤解

誤解の一例が、OODAも単純にサイクルを高速で回せばいいという議論です。

PDCAを爆速で回せといった意見に影響されているようです。これではPDCAと変わりません。無駄な動きになりかねません。回すだけで疲れてしまいます。


「情勢判断、方向づけ」という誤解

OODAの二番目のO:Orientは「情勢を判断」するだけではありません。「理解」でも「方向づけ」だけでもありません。情勢判断、方向付けは一部でしかありません。「わかる」ことなのです。


形式主義の固定観念

日本では、ポジティブリスト方式で計画やルールを定め行動を統制する歴史的な文化が今も脈々と続いています。

ネガティブリスト方式で思考の自由度を高めるのがOODAです。これだけはできないという規制です。これ以外は制約がありません。


「OODAにするかどうか」という誤解

人間であれば誰しもが行なっている思考法がOODAです。OODAを使うかどうかという判断はありません。

実際には誰もがOODAのプロセスで考えているのです。ポイントはその各々のOODAのプロセスでどう判断して行ったらいいかということです。


「PDCAをOODAで置き換えろ」という誤解

人間の作用が及ばない生産技術の世界などで自らが行動する場合にはPDCAが有効なこともあります。

何れにしても、OODAはPDCAを補完します。

アメリカではPDCAを使わずOODAのみで経営してもいます。

PDCAの欠点を補完するOODA」の詳細については、こちらを参照ください。


日本企業へのOODA適用の成果

日本企業へのOODA導入適用の成果については、こちらを参照ください。


OODAの歴史、PDCAの歴史

OODAループ

OODAは、世界(アメリカ、NATO北大西洋条約機構など)の軍隊で使われています。それまでの軍隊は絶対的な指揮命令統制にしたがい命をかけて行動していました。OODAが西側の軍事戦略を全面転換させました。

その歴史を考察することはOODAの本質の理解の手助けになります。

OODA:世界の軍事戦略を全面転換の歴史」は、こちらを参照してください。


IDAサイクル

一方、日本の自衛隊ではOODAではなく、IDAサイクルを重視しているそうです。情報 Information 、決心 Decision、実行 Action の頭文字です。

OODAとの一番の違いは、Orientation=わかるが抜けていることです。


PDCAサイクル

PDCAは日本人が考え出しました。デミングはこのPDCAを批判していました。加えて当初のPDCAはいま日本で使われているものと違っていました。その歴史を振り返ることによって、PDCAの趣旨や扱い方が見えてきます。

PDCA:デミングが問題を指摘していた歴史」は、こちらを参照してください。


PDCAが日本を壊す

上司が部下の作った資料を何度も突き返す古い時代は終わりました。


想定外のことが起きない世界

PDCAサイクルは古いという論調もあります。が、想定外のことが起きない世界では今でも有効な考え方です。ただ現実には、変化のない世界はありえない状況です。実験室で行われる実験であっても想定外のことが起きます。全ての変化が予測でき想定できるとは考えられません。

PDCAが評価されているのは、結果を振り返り、継続的に改善を極めるところです。この点は古いといって否定すべきではありません。フィードバックは重要なのです。

ただしPDCAでは完全な計画が作られるかが問題です。計画に対してチェックして改善することから完全な計画が求められます。そして完全な計画ができたとして、環境は変化します。実施結果のチェックで過去の計画を元にチェックすることになります。お客様の視点など展開する外部環境の動きを放置しかねません。

OODAは、結果をフィードバックするだけではなく、それと同時に最新の状況展開をみて認識を見直していきます。


想定外のことが起こる世界

想定外のことが起こる世界では、PDCAは計画を立てることに固執してしまい足を引っ張ります。PDCAは勝ち残るどころか弊害があり、かえって事を悪化させます。企業の崩壊までももたらしかねません。

日本では未だ多くの方々が、あらゆる場面で「PDCAを使え」といわれます。そして「PDCAを回せ」「PDCAを速く回せ」といいます。しかし、PDCAは限定された場面でしか有効ではありません。すべてが制御できる環境下でしか適用できないのです。これは速く回しても対処できません。

PDCAサイクル:概要と実際」については、こちらを参照ください。

PDCA:問題点と致命的な欠点」については、こちらを参照ください。


PDCAとOODAの比較

PDCAは戦後日本人が考えた品質統制の方法でした。OODAは人間の思考力と行動力の技術です。両者は、目的が異なり代替関係にあるものではありません。PDCAからOODAへという議論は当てはまりません。

しかし、ビジネス全般で使われるようになったPDCAを、OODAと対比するとその特徴と優劣が明らかになります。

PDCAとOODAとは、認知方法、思考法、制度、価値観、風土、役割分担からリーダーシップまであらゆる側面で異なります。

PDCAとOODAの違い」の詳細については、こちらを参照ください。


管理の方法としてのPDCAとOODAの違いは、軍事の具体例や石橋の渡り方、受験勉強の仕方に例えて説明するとわかりやすいと思います。

「PDCAとOODAの違い:軍事の事例についてはこちらを参照ください。
「PDCAとOODAの違い:石橋の渡り方についてはこちらを参照ください。
「PDCAとOODAの違い:受験勉強での使い方」については、こちらを参照ください。


PDCAの欠点を補完するOODA

OODAはPDCAを否定するものではありません。PDCAとは別物です。

PDCAの弱点を補強し、勝ち残る力を与えてくれるのがOODAです。PDCAの欠点を補完してくれます。

また、PDCAを置き換えてもくれます。

OODAは日本の組織の弱点を補完し強化するのに非常に有効であり必須の方法です。

堅牢な世界観を自らが持つことにより自己を確立し、日本の組織の失敗の本質を改めます。特に、ビジョンから戦略そしてその実行を進める演繹的な仮説検証アプローチの強化にOODAが有効です。

PDCAに固執せずに、OODAを取り入れることが求められています。


OODAの思考によって、はじめて変化するVUCAの時代に勝ち残ることができます。

時代は変わっています。現在、勝ち残り持続的な成長をしている企業はOODAの本質を見極めて経営に活かしています。

経営側の期待が先行し管理統制型になるPDCAを回している企業とは、差がつくばかりです。

PDCAの欠点を補完するOODA」の詳細については、こちらを参照ください。


OODAの詳細

OODAの詳細について、読者層別に紹介します:
実務者向け「OODA:PDCAでは生き残れない」が本稿です。
入門者向け「OODAループとは?」は、こちらを参照ください。
経営者向け「OODA:世界最強の戦略」は、こちらを参照ください。

OODAループそしてジョンボイド戦略論の理論的背景を紹介します:
「OODA:基礎理論」については、こちらを参照ください。
「ジョンボイドの著作と関連文献」は、こちらになります。


OODA関連論文の公開

日本が再興するためにお役に立ちたいと考え、本稿等の論文を公開します。主な論文とその要約は、こちらを参照してください。


OODA本の出版:アンケートのお願い

OODAの考え方を日本の企業や組織に浸透していくことを期待する声が高くなってきています。このような要望に応え、OODA本の構想を練ってまいりました。

現在、みなさま方と一緒に書籍を作って行くために、本の内容についてご要望ご意見などをお伺いしております。

アンケート」をこちらにてお願いします。ホワイトペーパーをお礼に贈呈します。

著者:アイ&カンパニー 入江仁之
脚注:本論文はビジネスにおけるPDCAとOODAの適用について議論しています。
脚注:PDCAの品質統制での適用について議論をするものではございません。
脚注:また、OODAの軍事適用について議論するものでもございません。
脚注:本論文はフィードバックに基づき随時、更新しております。
脚注:OODAの研修・実装の詳細はこちらを参照してください。
出典:本論文は2005年以来のOODA実装結果に拠る提言です。参考文献こちらです。
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