PDCAサイクルの問題14点

PDCAサイクルの問題点を以下に列挙します。

  1. 現状打破できない

30年以上賃金が上がっていません。この現状を打破できずにいます。日本人の多くが持っている特有の思考法PDCAが、現場で制約になっています。イノベーションのためにはPDCAは無理があります。

2. 致命的にスピードが遅い

日本企業は、欧米をはじめとした海外の企業と比べて、致命的にスピードが遅いことで有名です。生産性も先進諸国で最低です。そして従業員の満足度も低迷しています。

3. 想定外の事態には思考停止

PDCAは計画に従って実行することに執着してしまうことから、想定外の事態が起こると思考停止となってしまいます。今の時代はVUCAの時代です。VUCAに適応する思考が必要です。

4. 手順の重視

手順が重視されます。事前に十分に検討をして関係者に根回しをして合意をとり問題が無いと確証を得た後に事に当たるのが当たり前になっています。

また、手順は形骸化されがちです。目的を意識しないで手順さえ守っていればいいと考えているからです

5. 状況認識の問題点

世の中の変化に置いていかれる
昨今のグローバルでのビジネスにおいても日本企業の敗退が顕著になっています。これは米国に遅れをとったIT産業だけではなく、インフラの大型案件が新興国に敗退するケースも増えて来ています。これは状況の認識が固定観念に縛られて現実を直視できていないことが原因です。

6. 仕事に対する熱意が消失

大半の日本人は仕事では指示待ちになっています。仕事に熱意を持って取り組んでいる社員の比率は6%で、139か国中132位と最下位水準です(米ギャラップ社2017年仕事への熱意(エンゲージメント)国際比較)。これも計画に基づいて指示されて評価されるという思考が影響しています。

7. 前例主義になる

検討内容が十分か? 上司は自分の責任回避のために、計画段階で部下に念押しをします。部下も責任を取りたくないので、前例があることを重視し、十分に分析して検討を加え計画を立てます。過剰分析前例主義です。

8. ポジティブリスト制度

また、これがいいと言われたことだけをします。ポジティブリスト方式制度です。これだけはダメというネガティブリスト方式制度のように、ダメなこと以外はなんでもチャレンジしていいという発想にはなりません。

9. 過剰品質になる

このような仕事の仕方は過剰に時間を浪費するだけでなく、過剰品質をもたらします。動き出した頃には遅きに失っしています。

10. 減点評価

計画や目標を基準に評価されるため、知らず知らずのうちに減点評価になっている組織が多くあります。中にいる人たちは減点評価による弊害に気づかずにいます。

11. 日本だけの特殊性

生産技術以外で「PDCAを回せ」と叫ばれているのは日本だけです。アメリカ人や中国人など海外の知識人からは、PDCAが日本のガラパゴス化の原因だと指摘されています。

PDCAは日本企業を低迷させた元凶なのです。

12. 計画の問題点

PDCAサイクルでは、まず最初に計画 Plan を策定することが前提となっています。計画策定後に計画策定の前提が変化することがあります。前提が変わってしまっては計画は妥当でなくなっています。

13. 評価チェックの問題点

評価つまりチェック Check の段階に至って現場からのフィードバックを聞きアクションを取りますが、それは計画を実行 Do した後のことです。

最初の計画の段階で現場と乖離した方針が決められてしまうと、方針転換をするには余計な労力が必要となります。このPDCAサイクルで取り決めたサイクルを回している間に、致命的な事態に至るリスクがあります。計画を前提としたサイクルを高速回転しても根本的な問題を解決できません。

14. 組織文化・風土の課題

また、PDCAでは評価 Check をして改善 Act をするとしています。しかし、特に失敗の責任を追及し、犯人(生け贄)探しを行うような空気があると、評価、改善はかえって組織の活力を削いでしまいます。


PDCAの問題点そして致命的欠点の詳細については、▶︎PDCAの問題点と致命的欠点



私たちの提言を書き出したのが「すぐ決まる組織のつくり方:OODAマネジメント」です。
組織でのOODAループ適用マニュアルです。




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著者:アイ&カンパニー
出典:本稿は2005年以来のシリコンバレーなどでのOODAループ実装実績に拠る提言です。あらゆる領域で使える戦略一般理論:OODAループは、こちらで紹介しています。
脚注:本論文はPDCAの品質統制への適用について議論するものではございません。本論文はフィードバックに基づき随時、更新しております。

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