ネガティブリスト方式

ビジネスにおいて重要な視点は、やらないことを決めることです。これをネガティブリスト方式といいます。


ポジティブリスト制度

例えば、特に日本人は、計画やルールを守るのが好きです。これが功を奏して、1960年代からバブル期までの経済成長を実現させました。決まったことを頑張ればよかったのです。指示を待って忠実に従い行動する文化ができました。

日本では、ポジティブリスト方式で計画やルールを定め行動を統制します。PDCAサイクルの思考法に通じます。

これしかダメと規制するのです。これだけはできるという規制です。限定的に列挙されたと解釈されます。例示的に列挙されており他もできるとは解釈されません。

この思考が固定観念として身に染み付いているので、形式主義思考停止、指示待ちになります。リスクを取らないのです。できることに縛られる日本人の固定観念に紐づいています。これが形骸化する形式主義を生んでいます。


ネガティブリスト制度

これに対して、欧米では、ネガティブリスト方式で計画や規制を定めます。大陸ドイツもネガティブリスト制度に移ってきています。

計画や規制に書かれていないことはやっていいとなります。これだけはできないという規制です。規制が必要なものは限定的に列挙し、それ以外への演繹適用をしない方法です。

ネガティブリスト方式だとワクワクして期待を超える成果を出してしまいす。計画やルールの破壊と創造が起きていきます。

組織が一枚岩になって行動できるように固定観念から破壊と創造をしていきます。


やらないことを決める

ネガティブリスト方式、つまり、やらないことを決めることは意外な効果があります。役に立たない、あるいは、自分がやっても優位性がないと考えられることをやらないと英断することによって、模倣ではなく、自分の価値を考えることができます。

闇雲になんでもやるという思考では、何でもやって、結局何もできないということになりかねません。


日本企業へのOODAループ適用の成果

ネガティブリスト方式に基づく思考法がOODAループになります。やらないことを決めることで堅牢な世界観VSAが作られていきます。


参考文献

「「すぐ決まる組織」のつくり方 ー OODAマネジメント」

日本型組織の病状を直し、次世代組織に転換する必要があります。事例をとおして具体的な改善・改革の方法を書籍で紹介しています。

OODAループの組織への適用法を解説した書籍が「「すぐ決まる組織」のつくり方 ー OODAマネジメント」です。ビジネス適用の実績にもとづく世界初の書籍でベストセラーになっています。

「「すぐ決まる組織」のつくり方 ー OODAマネジメント」紹介 ▶︎すぐ決まる組織のつくり方 – OODAマネジメント [紹介]



著者:アイ&カンパニー 入江仁之
脚注:本論文はビジネスにおけるOODAループの適用について議論しています。
   OODAループの軍事適用について議論するものでもございません。
   本論文はフィードバックに基づき随時、更新しております。
出典:本論文は2005年以来のOODA実装結果に拠る提言です。
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