最近、日本では品質に関わる不祥事が立て続けに起きています。JR西日本の新幹線重大インシデント、神戸製鋼、東レ、三菱マテリアルなどの品質データ不正、日産自動車、スバルの無資格検査など。問題が明るみになったものだけでもこれだけあります。
PDCAサイクル
このような情況になっている原因の一つに、過剰なPDCA信仰があると考えられます。日本ではまだPDCAが提唱されています。これは異常な状態です。
- 提唱したデミングでさえも晩年にはPDCAの問題点を指摘しました。現場の力を維持して向上させていくために、PDCAのC:チェックではなくスタディのPDSAにすべきです。
- 設定された標準や基準に形式的に準拠しようとする姿勢も顕在化された問題の原因になっています。標準や基準の仮説を設定して検証する必要があります。
- 現地現物の観察がおろそかになっています。計画からいきなり始めると観察が後手になります。
- 主体的に当事者意識をもって仕事をしている人が減っています。JR西日本の新幹線重大インシデントでは車掌が異常を感じていながら新幹線を走行させました。工場であれば、生産ラインで問題を感じたら現場の人間がその場でラインを止める判断ができなくてはなりません。
今日の激変する環境でPDCAを回せと指示して満足していると足元をすくわれる危険があります。
想定外のことが起こる世界
想定外のことが起こる変わり続ける世界(VUCAの世界)ではOODAのコンセプトが有効です。
私たちが日常、どのような状況でどのように考えて行動したらいいかを明らかにするのが「VUCAフレームワーク VUCA Framework」です。どのような状況下でどのように判断しどう行動したらいいかを示してくれます。状況を知っているか、そして行動の効果を予測できるかで分類されていることから、対応すべき状況を重複がなく網羅して分類しMECEになっています。
このフレームワークにより、想定外のことが起こる変わり続ける世界ではOODAが有効であることが示されています。
「VUCAフレームワーク」の詳細は、こちらに紹介しています。
OODAループ
OODAループの組織への適用法を解説した入門書が「「すぐ決まる組織」のつくり方 ー OODAマネジメント」です。ビジネス適用の実績にもとづく世界初の書籍になります。
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著者:アイ&カンパニー
脚注:本稿はフィードバックに基づき随時、更新しております。
出典:本論文は2005年以来のOODA実装結果に拠る提言です。参考文献はこちらになります。
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