状況・行動フレームワーク

私たちが日常、どのような状況ではどのように考えて行動したらいいかを明らかにするのが「状況・行動フレームワークSituations Actions Framework」です。

どのような世界でどのような判断をしたらいいかを示しています。状況を想定内と想定外および行動を瞬時と持続で分類しMECEになっています。

実世界は、以下の4象限に分けられます。状況は、変化のない想定外のことが起きない既知の状況と、想定外のことが起きる未知の状況に分かれます。行動は、瞬時の対応が必要な状況と、持続的対応が必要な状況に分かれます。


実態は単純だと思っていても、いきなり、混沌とした事態に陥ります。JRのぞみの重大インシデントや小田急電鉄の列車延焼事故などは、日常の運行の中で混乱状況を巻き起こします。

煩雑な業務をしていても、いきなり複雑な事態に陥ることもあります。神戸製鋼などの品質データ改ざんは、品質基準外製品の発生に対する対処が問題となりました。


従来は、単純な世界や繁雑な世界では、PDCAによる対応が考えられていました。

しかし、想定しないことが起こるいまのVUCA世界では、OODAによる対応が必要になっています。


未知の状況

未知の状況とは、想定外(Unexpected)のことが起きる秩序のない(Unordered)状況です。変化する状況です。ここでは、安定化が目標となります。

未知の状況は、瞬時の対応が必要とされる混沌とした状況と、持続的な対応をする複雑な状況があります。


I. 未知の状況・瞬時に行動:混沌(Chaos)

ビジョンと行動の世界

混沌(Chaos)とは正解を探すことが無意味で無駄な状況です。状況が変わり続け管理できるパターンがないため因果関係を見極めることは不可能です。

この世界ではビジョンに立ち返り、即効性のある行動をとって行くことが求められます。

まずは直観的なリーダーシップにより行動actして秩序をつくり、感知senseして対応respondします。

福島第一原発事故や911はこのカテゴリーにあてはまります。福島第一原発事故では、津波を受けて吉田所長が陣頭指揮を取りました。911では襲撃を受けて、ルドルフ・ジュリアーニRudolph (Rudy) Giuliani ニューヨーク市長が直接指揮をとり秩序を取り戻す指示をしました。

混沌とした世界では、俊敏な対応をするOODAが必要です。


II. 未知の状況・持続的に行動:複雑(Complex)

戦略の世界

複雑(Complex)とは正解を得ることがわからない状況です。ブラジルの熱帯雨林のような世界です。

この世界では、ビジョン実現のための有効な戦略を柔軟に選択して実行することが求められます。

まずは専門家が実験で精査probeして、その後感知senseして対応respondします。

アポロ13号の事故がこのカテゴリーにあてはまります。専門家も正解がわかりませんでした。解決策を見つけ出さないと宇宙飛行士が死亡する状況でした。

ユーチューブYouTubeの創業もこの例です。当初は今の世界で使われている使われ方を想定できませんでした。

実世界はほとんどがこのドメインです。今季の売り上げ減少。経営陣の刷新。M&Aなど様々です。


この世界はPDCAでは生き残れません。

仮説検証の方法や、転移学習の方法が当てはまります。OODAでその技術が示されています。

OODA」の詳細については、こちらを参照ください。


既知の状況

既知の状況とは、想定外のことが起きない状況です。起こることが想定できる状況、そして、それ以外のことはない変化のない秩序(Unordered)の状況です。

想定外のことが起きない状況は、持続的な行動により対応する煩雑な状況と、瞬時の対応が必要とされる単純な状況があります。問題解決が目標となります。


III. 既知の状況・持続的に行動:繁雑 (Complicated)

メンタルモデルの世界

込み入った、繁雑 (Complicated)の状況は、最低でも一つの正解があります。ここでは、明らかな因果関係があります。

この世界では、従来の既成概念や思い込みを見直して仮説を設定し実験して検証することが求められます。

エクスパート達人が現地現物で感知senseして分析analyzeして対応respondします。

油田や鉱物の探索、フェラーリなどの車の修理がこのカテゴリーにあてはまります。

環境が変わらないことを前提にすると、PDCAが効果発揮が期待される世界です。

ドレイファスモデル達人Expertと位置付けられる、直観で対応できる域まで高めていく方法が当てはまります。

PDCAサイクル」の詳細については、こちらを参照ください。

ドレイファスモデル」の詳細については、こちらを参照ください。

繁雑な世界は、人工知能AIがカバーできる世界です。PDCAが当てはまる世界でもあります。


IV. 既知の状況・瞬時に行動:単純(Simple)

行動の世界

単純(Simple)とは、安定して因果関係が誰にでも明らかな状況です。正解が明確です。

この世界では、最良の標準手続きに従って迅速に行動することが求められます。

作業者が感知senseして分類categorizeして対応respondします。

評価指標parameterを設定して指揮命令command and controlすることが有効です。意思決定は権限委譲され自動化されることも容易です。

借入金返済処理がこの領域にあてはまります。対処すべき行動が明確に決まっています。

単純な世界では、計画・実行・点検のPDSが有効です。


クネビンフレームワーク

状況・行動フレームワークSituations Actions Framework」は、「クネビンフレームワーク Cynefin Framework」を、行動モデルの分類によりMECEに再定義したものです。

クネビンフレームワーク」は、こちらにて紹介しています。


VUCAフレームワーク

この世界はVUCAといわれています。VUCAの世界に応じて行動を示してくれるのが「VUCAフレームワーク VUCA Framework」です。どのような状況下でどのように判断しどう行動したらいいかを示してくれます。状況を知っているか、そして行動の効果を予測できるかで分類されていることから、対応すべき状況を重複がなく網羅して分類しMECEになっています。

VUCAフレームワーク」の詳細は、こちらに紹介しています。


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OODA:よくある誤解」の詳細、「研修セミナー」「講演」「経営コンサルティング」「助言」などのお問い合せは、こちらへお願いいたします。

著者:アイ&カンパニー
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本稿の参考文献:A Leader’s Framework for Decision Making by David J. Snowden and Mary E. Boone、Harvard Business Review  2007年11月号
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