「PDCA」と「OODA」の違い:受験の仕方

PDCAOODAの違いを、具体例として資格取得大学入試受験勉強の仕方を事例に使い、わかりやすくまとめてみます。


受験勉強の仕方

国家試験の情報処理技術者試験や公認会計士試験、司法試験、あるいは大学入学試験などの受験勉強をおこなうケースを例にして、PDCAOODAの違いを見ていきたいと思います。


計画を立てて勉強する:PDCA

日本人は学校教育をとおして、学校が決めたカリキュラムに従い授業を受けます。そこでの勉強は解答が正しいかどうかが重視されます。正解かどうかがチェックされることが体に染み付いています。

会社に入っても活発にPDCAの研修がされています。計画どおりに行っているか評価されることが当たり前になっています。

受験をするにあたっても、日本人の多くの受験生が取る勉強の仕方がPDCAです。


計画する:Plan

まず、受験勉強の計画を立てます。学習計画はどの科目のどの参考書をいつ勉強するかを決めます。


行う:Do

そして計画に従って勉強をします。学習計画に決めたとおりの科目の参考書を、決めた時間に学習します。


食い止める:Check

計画どおりに勉強できたかどうか、振り返ります。1日に学習することを計画した内容をその日にできたか。

学習計画で決めたことができればいいということになります。

しかし、よくあるのが、無理してもっと多くの範囲を勉強しようと計画して、実際にはそこまで行かないということです。


動く:Act

計画で決めたところまで行かなかったら、勉強の仕方を見直して勉強することになります。その日に決めたところまで行かなかったら、寝る時間を減らしてでも決めた学習をします。

計画について振り返り、どこが悪かったか考えて、計画を見直すことにします。


目的は?

勉強の計画で決めた勉強をどうにかこなしました。しかし、眠くて参考書を読んだため、頭に残っていません。

勉強の目的が達成できているかは気にしていません。


日本人の思考と合っているPDCA

計画どおりに勉強ができる人は、このような勉強の仕方で受験も成功しているのではないでしょうか。

まさに、PDCAの進め方と同じです。日本人の一般的な認識によると理想とされる行動パターンにPDCAがしっくりくるようです。

計画からずれると必死になって計画に追いつこうと努力します。遅れを精神力で乗り切るという思考になります。

実際の現実を直視して適応するという発想になりません。


効果を考えて勉強する:OODA

一方、多くの欧米人は、何が効果を出すために重要かに焦点を当て、その効果を出すことに集中します。

勉強でも、効果を出すための判断力を重視します。

自分で考えて判断する訓練を大学までの教育をとおして行われています。小中高でも少人数のケーススタディによるアクティブラーニンングで訓練され、判断力が身についています。自分で考えて発言しないと取り残されてしまうのです。

正解かどうかという形式は重要ではありません。効果的な判断の仕方が重要です。課題の設定の仕方、解答の仕方が重視されます。

会社に入っても結果が重視されます。効果の出ないことをしていたら随時見直して結果を出せるようにします。例えば、継続的に増収、増益を続けてきたのに今季、減益になりそうと判断すると、経費削減をし、場合によっては人員削減までを行い、結果を出します。

アメリカのビジネススクールではOODAループが教育されています。多くの欧米人は、当たり前のようにOODAループを使って行動します。これが基本になっているので、日本人が未だPDCAサイクルを回すという思考を理解できません。


みる:Observe

受験するにあたり、まず、試験の出題傾向を見て、合格者の勉強方法を聞いて回ります。できれば過去問を見ます。

合格するために効果的な勉強法を洗い出します。

合格率の高い予備校や専門学校を探して、自分の勉強の志向にあっているかをみます。自分にあった学校あるいは参考書を探し当てます。


わかる:Orient

合格した暁に実現したい夢を描きます。そしてその夢を実現するため、効果的な勉強法を考えます。調べた情報から効果がある勉強の仕方を考えます。

効果を重視するので勉強の方法は非常に柔軟です。学校の行き来の移動時間を使って頭の中で復習することもします。

合格水準の学力を身につけるために、どうやって勉強するかを考えます。


きめる:Decide / Hypothesize

年間、半年、月、週、日で、どこまで力をつけるようにするかを決めます。そしてその目的地に行くために一番いい勉強法を決めます。


うごく:Act / Test

効果を重視して勉強し、身についているか確かめます。記憶したことが思い出せるかテストします。アウトプットの仕方を何度も訓練します。

出題範囲の勉強を何度も行うことにより、瞬間的に解答できる力をつけていきます。

公文式は、この方法に合致しています。余計な大脳皮質の活動をしないで、直観で回答できるようにします。これにより、重要な問題解答に脳を使うことができるようになります。

想定したところまで行かなかったら、随時、効果が出る勉強方法を見直して、勉強します。


欧米人の考え方と合致しているOODA

欧米人の行動の仕方は、OODAループに従っています。

日本人でも、超難関の大学や国家試験に合格している人の勉強方法、ここで紹介したOODAの考え方を一部なり全面的に取っています。

OODAループ」については、下記の書籍で紹介しています。


日本人と欧米人の思考の違い

日本人の一般的な思考を、欧米人と比較するとその特徴が如実に明らかになります。


日本人の世界観

日本人の慎重な仕事の姿勢や行動の仕方が、PDCAの考え方と一致しています。このためPDCAの普及により、日本人の特性が強調され、ますますスピードを遅くさせています。

日本人は、事前に十二分に分析して、再三検討して計画を立てようとします。

このようにして立てた計画ですから、計画どおりにいかないとモチベーションが下がってしまいます。精神力を鍛えて、計画に忠実に従って行動するように努力します。


欧米人の世界観

欧米人は、理想とする姿と目標を決め、不完全なものでもすぐにいろいろな活動を始めます。途中で問題が発生すれば軌道修正し方向転換しながら目標に向かって作業を進め目標を達成してしまいます。

中国人やインド人も似ています。彼らはさっさと活動を始め、試行錯誤しながら結果を出してしまいます。

世界観:VSA」の詳細については、下記の書籍で紹介しています。


日本企業へのOODA適用の成果

OODAループの組織への適用法を解説した「「すぐ決まる組織」のつくり方:OODAマネジメント」で、日本企業へのOODA導入適用の成果などの豊富な事例を交えて紹介しています。

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