OODAループ:渡り鳥とアリの行動


自然界ではすでに自律分散の組織形成がなされています。個々の個体が簡潔な行動方針に則って自律的に行動することが結果的に組織をオーガナイズし目的を達成する方向に導いていきます。

自然界の自律行動

この自律分散の行動が簡潔なルールで組織化されることは「渡り鳥[1]」や「アリ[2]」の行動で解明されています。これらの個体をソフトウェア上でエージェントとしてモデル化しシンプルなルールで行動させて結果的に組織全体がオーガナイズされ目的を達成していることを検証されています。


渡り鳥

クレイグ レイノルズ Craig W. Reynolds が群れになって飛ぶ鳥の行動をシミュレーションしました。その結果、群れとなって飛行するのには、ルールに従った行動モデルがあることを検証しました。

渡り鳥の群れは、

  • 「他の鳥の方向に飛ぶ」
  • 「他の鳥の速度に合わせる」
  • 「ぶつかるのを避ける」

の三つのシンプルなルールにより行動していることが検証されました[1]。

OODAループ

この行動は、OODAループのフレームワークに当てはめると、下図のようになります。渡り鳥一匹一匹が三つの行動方針に従い自律的に行動することで、雁行して行きます。

 


アリ

また、ジャン=ルイ ドネブール Jean-Louis Deneubourg らは「アリ」の観察を通して

  • 「働きアリは触れた物を持ち歩き」
  • 「次に同じ物に触れるまで放さない」

の二つのルールによる簡単なアルゴリズムで、分散しているゴミを一か所に収集する行動を再現できることを明らかにしました[2]。

OODAループ

この行動は、OODAループのフレームワークに当てはめると、下図のようになります。アリ一匹一匹が二つの行動方針に従い自律的に行動することで、集団行動ができます。


経済界

経済界においての組織化も自然界の組織化と同様に実現できます。経済界においては組織メンバーが従うべきシンプルな行動方針とは「顧客価値で判断する」ことです。

予測不能な環境で勝ち残るために、組織能力を高め顧客が求めるものに気づき、それが何かが分かり顧客が求めるものを創造していきます。

これを組織の基本的な価値観、DNAとして根付かせ個々人が自ら自律的に現場で判断し、その結果組織全体がオーガナイズされてビジョン実現に向かって行動します。


出典:
[1]Reynolds, Craig W. (Number 4 1987) Flocks, Herds, and Schools: A Distributed Behavioral Model Symbolics Graphics Division, Proceeding of SIGGRAPH `87  Computer Graphics  P.25-P.34 (PDF)
[2]「アリ」の基本行動はランダムウォーク、「アリ」がとる状態は「ものを持っている」「ものを持っていない」の2つ。
菅原研 (2010)「アリに学ぶ群ロボットシステム」 「流通と理学」研究会報告書 P.52-P.57 (PDF)
Deneubourg, Jean-Louis,  Goss, Simon,  Franks, Nigel R.,  Sendova-Franks, Ana B.,  Detrain, Claire,  Chrétien, Laeticia (1990) The dynamics of collective sorting, From Animals to Animats MIT Press P.356- P.363
Gordon, Deborah (1999) Ants At Work: How An Insect Society Is Organized Free Press
Gordon, Deborah (1996)The organization of work in social insect colonies Stanford University
Camazine, Scott,  Deneubourg, Jean-Louis,  Franks, Nigel R.,  Sneyd, James (2001) Self-Organization in Biological Systems Princeton University Press

 


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著者:アイ&カンパニー 入江仁之
脚注:本論文はフィードバックに基づき随時、更新しております。
脚注:OODAの研修・実装の詳細はこちらを参照してください。
出典:本論文は2005年以来のOODA実装結果に拠る提言です。上記以外の参考文献こちらです。
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