OODAループ:問題点と欠点

OODAループには欠点が無いのでしょうか。

OODAの欠点について多くの問い合わせがあることから、ここにOODAの問題点と欠点をまとめてみたいと思います。

ジョンボイドが最初に設計に関わった戦闘機がF15です。高価すぎるF15の経験からベストセラー機となったF16を開発しました。現在は第6世代OODAの研究開発がされています。

OODAの最大の欠点

OODAループ最大の欠点は、OODAループを組織で適用するためには、トップマネジメントのリーダーシップが必須であることです。

現場が主導してOODAループを導入することは実務上不可能です。これがOODAの欠点といえます。


OODAの適用対象

OODAループは、先行きが見えない変化するVUCAの世の中においても有効です。

VUCAは、以下の四つの状況をさします:
 Volatile        =  不安定
 Uncertain    =  不確実
 Complex      =  複雑  
 Ambiguous  =  曖昧模糊

これら四つの状況にOODAが適応できます。

OODAが想定していない想定できない状況があります。無秩序 Disorder の状況です。無秩序はVUCAの対象外であり、OODAが対象とする状況ではありません。OODAの欠点です。

しかし、この状況にあっても、OODA以外の方法が存在しないことから、次善の策としてOODAに頼らざるをえないと考えます。


OODAは個人の能力に依存する

誰でもがOODAによって簡単に結果を出せるものではありません。

OODAによって能力を向上させた人間だけが成果を出せます。

これはOODAに限ったことではないかもしれません。

PDCAであっても、PDCAの訓練が必要なように、OODAにおいても訓練、鍛錬が成果をもたらします。PDCAの欠点を補完あるいは回避するために、OODAが適用されています。


OODAループの誤解

OODAループは、多くの人が、単純にOODAのみる Observe ・わかる Orient ・きめる Decide ・うごく Act を回すと理解されています。

これでは、普通、誰もが行う行動を表しただけで、再確認をしただけで、得るものがありません。OODAについてのこのような誤解が問題を引き起こしています。


ジョンボイド理論の文献がない

ジョンボイドの著作

ジョンボイドが発表した論文は、Destruction and Creation (PDF)にとどまります。これは認知科学、弁証法、数学について書かれた非常に難解な論文です。

彼は一冊も書籍を残していません。理由は一つ。OODAループ概念と戦略理論は、理論的に永遠に完成しないからです。このため、OODAループを解説した文献がないのです。

「ジョンボイドの著作文献リスト」については、こちらを参照してください。

基本理論 OODAループの参考文献

ジョンボイドはアメリカ軍の講演で問答形式によりOODAループ概念と戦略理論を関係者に理解、納得してもらい、理論の更新をしました。

以上から、OODAループ理論を理解するためには、ジョンボイド自身がボイド理論の構築において参考にした文献にまで遡らなくてはなりません。また、同僚*の文献が参考になります。

「ジョンボイドの参考文献リスト」は、こちらを参照ください。

*Chet Richards, Grant T. Hammond

ビジネス利用の解説本がない

加えて、ビジネスで適用する解説書もありません。彼の同僚チェットリチャーズChet Richardsが書籍Certain To Win: The Strategy Of John Boyd, Applied To Businessを出しているぐらいです。

これまで、ビジネスパーソンが著したOODA利用解説本がありませんでした。

実務で適用した知見に基づいた解説本が求められていました。


OODA理論の難解さ

ジョンボイド戦略論は、歴史上の戦略論を踏襲した上で、理論を構築しています。ジョンボイド理論のなかで有名になったのがOODAループです。これは図式かされ、一見、容易に理解できそうなため、広く知れ渡りました。

しかし、その意図している内容は、戦略論にとどまらず、数学、量子力学、認知科学の領域にまで渡っています。

これらを理解しないと、OODAの意図していることがわかりません。このことから、OODA理論の難解さが、OODA普及の足かせ、OODAの欠点になっていると思われます。

 

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著者:アイ&カンパニー 入江仁之
出典:本論文は2005年以来のOODA実装結果に拠る提言です。参考文献はこちらです。
脚注:本論文はビジネスにおけるPDCAとOODAの適用について議論しています。
   本論文はフィードバックに基づき随時、更新しております。
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