世界最速の思考法:OODA

OODA Loop Thinking

OODAループとは、米空軍大佐ジョンボイドにより作られました、あらゆる分野で適用できる戦略の一般理論 grand theory of strategyといわれています*。

世界の軍事戦略を大転換させました。そしてビジネスの世界でも適用され、ほとんどのビジネススクールで教えられています。今まさに注目の、世界最速の思考法にして世界最強の戦略理論です。

OODAループは、単なる意思決定プロセスではありません。ジョンボイド戦略論そしてジョンボイド自身が理論形成で踏襲した人類史上の兵法や戦争論そして戦略論を集大成した理論です。

*Gray, Colin S. (1999) P.91

OODAループ

結局、なにごとも最速で行う人が成功します。

そのコツは、状況を認知して行動すること。OODAループがその方法を教えてくれます。

方法は以下のとおり;

みる(Observe):
◇ 世の中のトレンドをみて、これからどうなるか観察する。

わかる(Orient):
◇ どうしたいか、どうなりたいかの夢・ビジョン(目的)を描く。
◇ 夢・ビジョンを実現するための戦略(手段や方策)を描く。
◇ その戦略を具体化する行動方針(作業)を描く。

きめる(Decide):
◇ 状況に応じてビジョン・戦略・行動方針に基づいて行動を決める。

うごく(Act):
◇ やってみる。

みなおす・みこす(Loop):
◇ 結果に基づいて効果のないことを止め、行動方針そして戦略を見なおす。
◇ そして、有効な戦略そして行動方針を実行していく。


世界最速の思考法

OODAループは、世界最速の思考法です。
 みる  (見る、観る、視る、診る)    Observe
 わかる (分かる、判る、解る)        Orient
 きめる (決める、極める)          Decide
 うごく (動く)                Act
 みこむ (見込む)みなおす(見直す)Loop
の五つの思考プロセスからなっています。これは誰もが日頃しているプロセスです。

OODAループを図示すると以下のようになります。

OODA思考を身につけるためには、まず最初にこの五つのプロセスを認識することから始めます。続いて各々のプロセスにおいて提言されている成功の原則を身につけていきます。


学習の方法

OODAループは、学習の方法でもあります。
 みる (見る、観る、視る、診る)       Observe
 わかる (分かる、判る、解る)       Orient
 おもう (想う、思う)                 Hypothesize
 ためす (試す、験す)              Test
 みこむ (見込む)みなおす(見直す)Loop
の五つの学習プロセスからなっています。これは誰もがおこなう学習です。

OOHTループの各々のプロセスにおいて成功の原則があります。


OODA思考の使い方

誰しもが持っている悩みは、行動できないことです。行動できない理由が、OODAループを身につけると明らかになり、すぐに行動できるようになります。

ここで重要なのが「わかる Orient 」です。人間はみる時、同じものをみていても、人によって見方が違います。これはわかっている内容によって捉え方が違ってくるためです。頭の中にしっかりした堅牢な世界観があると行動できるのです。

各々のプロセスで成功原則を適用することで、学習し夢を実現できます。

本稿では、OODAの思考法を、日常生活ビジネスでどう使うかを分かりやすく紹介していきます。2005年以来のアイ&カンパニーによる企業での実践経験に基づいた提言です。


みる・わかる:早く気づいたものが勝つ

みる、そしてわかるのが、気づきです。

状況の変化や、人生において重要なことを、早く気づく必要があります。必ずしも行動が早い必要はありません。気づかないと、致命的な状況に至って初めてその事態を思い知り、あとの祭りとなってしまいます。

気づくための行動方法論があります。シチュエーションアウェアネス Situation Awareness:気づきの方法です。気づきにより臨機応変な行動ができます。

現実の世界に関心を持って、変化に気づくことです。現実の世界と自分の認識していることが合っているか見極めます。


わかる:完璧主義では生き残れない

腑に落ちる、わかるようになるためには、自分が理解し感情的にも納得するにたる拠り所を持つ必要があります。

納得するにたる拠り所が、自分の脳の中にある思考回路、イメージです。これを構造的にモデル化したのが世界観:VSAです。規制観念を現実の世界に合わせて見直し常に更新していきます。

世界観:VSAは、ビジョン・自己実現と紐付けて自分の考えを持つことを意識します。この世界観を持つことによって、その場でその瞬間に判断の拠り所を与えてくれます。


わかる・きめる・うごく:その瞬間にうごく

わかる、きめるそしてうごくことができるためには、納得に行く、十分な情報が必要と考えます。

しかし、現実には、不完全な情報しかなくても、決断を迫られます。

決断をできるようになるためには、それが自分にとってどういうことか意味づけが必要です。意味づけは、センスメイキング Sensemaking ともいわれます。

意味づけができて初めて、状況がどのようなことか理解し納得し行動に移すことができます。


みる・わかる・おもう・ためす:アイデアを創造する

アイデア、新しい考えを生み出すためには方法論があります。

アイデアを創造するには、情報を集めてみることから始めます。

そしてその情報を頭の中で考えぬくと頭の中で整理され熟成していきます。わかるのです。アイデアを思いつくことです。ヒラメキという人もいます。

その結果に基づいておもうことをアイデアや仮説として形にしていきます。ここまでが仮説の形成段階です。

そしてアイデアや仮説を具体化するするために、実世界で実験や検証をとおしてためすことで有効か判断します。アイデアを思いつくことはできても、それを現実の世界で具体化するまでできないとアイデア倒れになってしまいす。仮説の検証の段階を通してアイデアが実現できます。


きめる:一瞬で判断する

状況に応じてタイムリーに判断して行動することが重要です。その瞬間に一瞬で判断できる必要があります。

判断と行動が俊敏にできることにより、みてわかる気づきの時間を十分に取れます。

状況によっては必ずしも早く決定する必要はありません。


直観による一瞬の判断

OODAでは、最新の情報をみてその瞬間に一瞬で判断することが重視されます。

意思決定は、時間をかけて分析して論理的に行います。

直観は意思決定と使い分けることが重要です。

OODAは、意思決定に加え直観を駆使して判断をしていくことを重視しています。


暗黙誘導・きめる・うごく:直観

わかったら直観で行動するのが直観です。認知したら、暗黙の誘導 Implicit Guidance and Control (IG&C)により、頭で考えることなく、体が行動します。


失敗の本質

人間はどうしてもモノゴトのとらえ方に偏りができてしまいます。

特に、日本では、異常な忠誠心と精神論にしたがい、その場の空気を読んで判断する風土ができてしまいました。これでは本質を見失い、戦争では敗戦し、ビジネスでは失敗します。第二次世界大戦時からこのような悪習、因習ができてしまいました。

本来、武士の国日本は、形式に流されない質実剛健のサムライ文化を持っていました。ジョンボイドが高く評価していた宮本武蔵はその兵法家の代表です。


空気に流される

モノゴトの本質をみて、トレンドや空気に流されないで判断し行動することがとても重要です。

上司の顔色、社内政治、社内の空気に流されて、お客様の目線が忘れられていては、その組織は衰退します。

例えば、お客様と接する時いわゆる「真実の瞬間」に、お客様の感動してもらえることに気づき判断し行動できることが重要です。


直観力

OODAは、環境を的確に正しくとらえる方法を示しています。環境の認知の方法です。頭の中で考えていることが現実の世界と合致しているか見直します。

お客様そしてマーケットが求めていること、そしてマーケットの潮目の変化を感知して対応できることが重要です。

バイアスを排除して、小学校で学んだ知識のような基本的な原則に基づいて判断することです。1+1=2。これが直観です。ヒラメキの直感ではありません。

体で考えることにより、脳を過剰に使わないで済み、脳の疲労を避けることができます。本来、脳を全開して対応すべきことに脳を使う時間を割り振ることができす。世の中で成功している人は、直観で行動をしています。

例えば、羽生善治棋士やイーロンマスクが直観、体で考えることの重要性を指摘しています。


おもう・ためす:楽して結果を出す

気づいて意味づけするのには、脳を使います。多く脳を使うと疲労することから、人間はあまり脳を使った分析、判断をしないようにしています。

脳の負担が軽く、気づいてすぐに行動できるようになるためには、実体験や経験をとおして学習し身につけることが必要です。このための方法が、おもうことをためす学習の方法論です。

経営者の立場でみると、人の育成に有効な方法論でもあります。


みなおすフィードバックのループ

やってみて、もう一度、悩み、苦しみ、考え直します。これが「みなおす」Feedback です。

思い込みから逃れられない、PDCAの「やりなおす」とは異なります。PDCAは、C「チェック」A「アクション」により実行結果を検査して行動しなおします。チェックとは検査確認して食い止めることです。「アクション」は改善するといわれています。

「やってみる」ことがいいといわれています。しかし「やってみる」ことを、頭の中が空っぽの状態でとりあえず「やってみる」ことだと誤解されることがあります。これは試行錯誤です。真剣に考えをもって取り組んでやってみれば、反省ではなく、行動の前提を客観的にみなおすことができます。

「みなおす」のはチェックではありません。次のために、考えていた前提を見直すのです。「みなおす」のは、過去の行動を反省するためではありません。

頭の中に想定するイメージつまり世界観を持った上で試行することで、その想定を「みなおす」ことができます。


OODAで使われるテクノロジー

思考能力を飛躍的に向上させるためにOODAループが使われています。

OODAのフレームワークは、AI人工知能やコラボレーション技術など最先端のテクノロジーをより効果的に選択適用し活用できるようにするためにも有効な示唆を与えてくれます。


OODAループに興味を持たれた方へ

日本の組織を蝕む病とその原因を明らかにし、日本を再生させて行かなくてはなりません。日本再興にお役に立ちたいと考え、本稿等の論文を公開します。

上記で紹介しました論点などの詳細についてご興味のある方は以下をご覧ください:

OODAループに関する主な論文のリストとその要約を、こちらに紹介します。
代表的なものは、以下の2つです:
OODAループ:戦略の一般理論
OODAマネジメント:「すぐ決まる組織」の作り方

PDCAサイクルに関する主な論文のリストとその要約を、こちらに紹介します。
代表的なものは、以下の2つです:
PDCAサイクル:問題点と致命的欠点
PDCAOODAの違い


「世界最速の思考法:OODA」(仮称)の書籍刊行

OODAループを日頃の生活や仕事に生かし社会に浸透していくことを期待する声が日々に高くなっています。三年以上に渡りOODAループにもとづく思考法に関する本格的な書籍の出版を準備してまいりました。これまでに数十万の方々が本稿を読んでいただき、多くの方々からご意見をいただいてきました。サイト上で恐縮ですが、お礼を申し上げます。ありがとうございます。頂いたご意見を参考にさせていただいております。

第一弾の「すぐ決まる組織」のつくり方 ー OODAマネジメントは、組織でのOODAループのつかい方を紹介しました。

続きまして第二弾の「世界最速の思考法:OODA」(仮称)は、個々人のOODAループのつかい方を紹介する予定です。現在、調査・研究・執筆を進めております。引き続き、本の内容についてご要望ご意見などをお伺いしております。アンケートこちらにてお願いします。

(「すぐ決まる組織のつくり方:OODAマネジメント」の紹介は、こちらを参照ください。)

著者:アイ&カンパニー 入江仁之
出典:本論文は2005年以来のOODA実装結果に拠る提言です。参考文献はこちらです。
脚注:本論文はビジネスにおけるOODAの適用について議論しています。
脚注:軍事へのOODAの適用について議論するものではございません。
脚注:本論文はフィードバックに基づき随時、更新しております。
©2015,2016,2017,2018 I & COMPANY or its affiliates. All rights reserved.
お問い合わせ
OODAコンサルティングは、こちら
講演、執筆、助言、その他は、こちら