判断の技術

判断 (Judgment)とは、考えをまとめて定めることです。

情勢を分析評価し意思決定をしたり情況を踏まえて直観を働かせたりして意見を形成します。

情況を見定めて目標を設定し情勢を判断し行動を決断していくまでの各々の過程で判断が積み重ねられます。これら各々の判断が「力の源泉 (Source of Power)」になっています。

判断力とは、判断の能力です。ものごとについて個人的に善悪の見抜く力を言います。


判断と意思決定の違い

意思決定 (Decision Making)とは、複数の選択肢から1つを選ぶことです。

ここでは、狭義の論理的意思決定を意思決定といいます。論理的推論(Logical Reasoning)により決定することです。(広義の意思決定には直観、決断も含める場合があります。)

意思決定は、人工知能の発達によってコンピュータに置き替わられる可能性があります。

意思決定 」の詳細については、こちらを参照ください。


判断と意思決定の違い

判断が主観的な時間の制約の中で行われる側面があるのに対して、意思決定は分析を通した論理的な推論が重視されます。主観的な視点からは判断が意思決定を包含します。

従来、経営理論は意思決定論を中心に研究されてきました。

しかし、時間制限の厳しい今日のVUCAの時代には直観を駆使した判断、そして決断が重要だと考えられるようになりました。その瞬間の判断が全てを左右することになります。

認知科学 (Cognitive Science) の研究が海外では盛んに行われています。不確実な状況における人間の判断意思決定に関して心理学的研究から得られた知見を経済学に導入した業績で、ダニエル カーネマン (Daniel Kahneman) が2002年にノーベル 経済学賞を受賞しています。人間は直観論理的意思決定の二重の判断を行うとされる二重処理論(Dual Processing Theory)です。


直観と判断の違い

直観 (Intuition)とは、選択肢から選定することなく直接的に考えを決めることです。

直観は分析的な作業に基づく論理的推論(意思決定)を経ることなく考えを決めることです。直感も主観的なものであり、判断に直観による判断も含まれます。

直観は、情況に応じて成否を見極める臨機応変の判断に有効です。これは人間ならではの能力によるところが大きく人工知能の発達によってますます重要になっています。限られた情報で判断することをヒューリスティック(Heuristic)と呼びます。

直観」の詳細については、こちらを参照ください。


判断基準

判断は、個人の哲学や価値観に基づいて主観的に行われます。主観的な判断は、個人の哲学や価値観に影響を受けた判断基準に従って行われます。

判断基準は、頭の中の思考モデルです。判断するにあたっての影響を受けます。思考モデル:VSMAは、夢・ビジョン戦略メンタルモデル、方針から構成されています。

次世代 思考モデル:VSMA」の詳細については、こちらを参照してください。

日常の業務においての判断を的確かつ瞬時に行うためには、メンタルモデルを整理して確固たるイメージを持ち、常日頃メンタルモデルに基づいて判断する訓練を積み重ねていくことが重要となります。


判断の主観性

判断は主観的なものです。客観的な調査分析に基づいて行われる意思決定に加え直観も踏まえて行われるのが主観的な行為である判断です。


判断の対象:過去・現在・未来

判断過去現在そして未来を対象に行われます。

判定は、過去を対象にした判断です。過去に対して評価して考えを定めることです。

決断は、未来に向けての判断です。未来に向け考えを定めて行動に移すことです。(決断の詳細を下記します)


決断 

決断 (Judgment Call) は、未来に向け決意することです。主観的に心できっぱりと方向性を定めて行動に移していきます。

OODAループのきめる(D:Decide)で行われるのが決断です。


ジャッジメントコール

決断は英語のジャッジメントコール(Judgment Call)に該当します。英語でジャッジメントコールとは、その人の責任で主観的に重要な考えを定めることです。個人的な意見です。

先行きの見えないこの時代には、知識や情報があっても正しい行動を取れないことが多くあります。そこで足りないのが情況を踏まえた主観的な決断です。

ジャッジメントコールとは、元来、試合で審判が客観的な判断材料が乏しい時に下す裁定を意味しました。審判はその時の情況を踏まえて主観的に裁定を下します。

これが転じて日常会話での個人の重要な判断にも使われるようになりました。一般に重要なその場の情況を考えての個人的な意見表明、決断を意味するようになりました。よく英語の日常会話で「ジャッジメントコール」という言葉を使います。

リスクと影響、効果を総合して考えを定めます。


人工知能、機械学習で進む判断の研究

「判断の技術」の研究は、人工知能 AIにおける機械学習の研究の進展と共にさらに進んでいます。

人工知能 AI、機械学習」の詳細については、こちらを参照ください。


OODAループ

人間の強みは、判断力です。人工知能では少ない情報による判断が苦手です。判断できる人になる方法、そして判断の理論と技法があります。スピード経営、生産性向上、イノベーション、そして臨機応変の判断においてOODAが注目されています。

OODAは、機械学習の研究開発のフレームワークとしても利用されています。

OODAは、情況をみる(Observe)とともに、情勢がわかる(Orient)、そしてきめる(Decide)で意思決定あるいは直観をするとうごく(Act)という過程からなっています。みる、わかる、きめる、うごくの各過程に渡って判断が行われていきます。

OODAループ」の詳細については、こちらを参照ください。

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