武士道

武士道とは、日本特有の和の文化をもとに形づくられた倫理そして行動規範です。


サムライの国:日本

1900年に新渡戸稲造が執筆した「武士道 Bushido: the soul of Japan, an exposition of Japanese thought」、1991年にトーマス クリアリー Thomas Clearyが出した「日本の兵法 The Japanese Art of War」により海外でも広く知られるようになりました。

日本はサムライの国として尊敬されています。


武士道の生成

武士道は、1185年に、卑弥呼以来の天皇祭司の社会から、清和源氏による武家社会に変わり生まれました。

それまでの貴族から公家と武家が分かれ、武家社会となりました。1221年の承久の乱を境に、武家中心の合理主義の考え方が中心となりました。


武士道の精神とは

本来の武士道は、家を身を呈して守る責任感が原点です。そのため、戦いは勝つことが目的でした。

「武士道」とは、和の心に基づく、自立、仁義、合理主義、質素堅実そして責任感(ノーブレス オブリージュ)などの価値観をもった礼法です。

このような武士道の考え方が江戸時代になり薄れて行ったことから、宮本武蔵が、1645年ごろに書いた「五輪書」により本来の武士道を受け継がれるように訴えています。

また、清和源氏の小笠原流は、江戸幕府の将軍に対する教育係として武士道の精神を受け継いでいます。

形式を排し、本質を極めて身につけることを重んじているのは、武蔵と小笠原流礼法に通底しています。


江戸幕府での武士道の変容

武士道は、戦国の世の中から江戸幕府に変わり変容します。武士道は、江戸幕府により、名誉、忠義を強調することで、自立心を抑え、中央集権の統治に使われました。

切腹が忠義を求めたことである証拠に、最後の将軍、徳川慶喜も含めて切腹した将軍がいないということです。大名では、1701年、播磨赤穂藩の第3代藩主浅野内匠頭が将軍・綱吉の決定により切腹と赤穂浅野家の取り潰しにされています。

1716年ごろ、肥前国佐賀鍋島藩士の山本常朝が武士としての心得として書かれた「葉隠」には、「武士道とは死ぬこととみつけたり」と書かれています。死をも覚悟して行動する考え方が強調されました。

武士道が、幕藩体制下の処世術として変容して行きました。

切腹は、家の名誉、存続を重視し自らが切腹することで大名や将軍への忠義を示し、家の名誉を保つという考えによる行動とされました。

1899年に新渡戸稲造が執筆した「武士道 Bushido」では、キリスト教文化に対して、日本人の精神構造を理解してもらうために、武士道の考え方を紹介しました。そこでは、名誉心で切腹が行われたことが説明されました。

幕末の新撰組では、血気盛んな若者が武士への憧れもあり切腹に走ったという見方もあります。新選組が殺した人数は敵よりも味方の方が多かったとされます。


日本軍での武士道の変容

明治新政府になって、「軍人勅諭」が定められ、国家主義の下での国家への忠節の教えが武士道として強要されました。「国民道徳」において天皇中心の考え方に武士道が利用されました。この国家主義 Nationalism は愛国主義 Patriotismとは異なります。

第二次世界大戦において日本軍は軍人には武士道の名の下、理不尽な精神論が蔓延し、名誉の自決を美化しました。武士道が変容し強要されたのです。

本来の自立の武士道が、忠節を強要した中央統制の道具に使われたのです。


変容した武士道の限界

第二次世界大戦後、日本軍参謀本部が強要した忠節を過度に重んじた歪んだ武士道は、多くの日本企業に残っています。

戦後70年以上が経ち、中央集権型の統治への変容した武士道の強要に限界があることが露呈してきています。


武士道の再評価

トヨタ生産方式の生みの親と言われる、大野耐一氏は、武士道に非常な関心があり、常に「葉隠」や「宮本武蔵」を読んでいたそうです。

世界の戦略を一転させた米軍大佐ジョンボイドは、日本の兵法、五輪書など武士道を研究してOODAループを作り上げました。


武士道のビジネスへの適用

トヨタ生産方式そしてOODAループを筆頭にして、本来の武士道が蘇ってきています。

今日の閉塞感のある日本の組織に、本来の武士道を適用することにより、日本人の精神が蘇るものと考えます。

武士道は、清和源氏により中世の時代に作り出されました。名誉や品格を尊び、自分と他人の分け隔てがない自己犠牲、責任感(ノブレスオブリージュ)の人・社会のための和の心に基づく自立の精神です。自分が決めたことはやり抜くことが求められます。勝つことの本質を極めることが重視されます。極めれば無色無形です。口伝であり本質だけが伝えられます。教えません。基礎のみ教えてもらい、あとは見て学び、自分で工夫して身につけます。

武士道は、形式に流されず型を求めず着からず末節にこだわりません。決まりごとはありません。空気を読む、完璧主義、突出しない、恥は、本来の武士道に反するのです。

武士道を取り戻しましょう。


OODAループに関する論文の公開

日本の組織を蝕む病とその原因を明らかにし、日本を再生させて行かなくてはなりません。日本再興にお役に立ちたいと考え、本稿等の論文を公開します。

上記でも紹介しました視点をはじめ詳細についてご興味のある方は以下を参照ください:

OODAループに関する主な論文のリストとその要約を、こちらに紹介します。
代表的なものは、以下の2つです:
OODAマネジメント:「すぐ決まる組織」の作り方
OODA思考:「世界最速の思考法」

PDCAサイクルに関する主な論文のリストとその要約を、こちらに紹介します。


OODAの書籍刊行

OODAループを日本の企業や組織に浸透していくことを期待する声が日々に高くなっています。三年以上に渡りOODAループに関する本格的な書籍の出版を準備してまいりました。これまでに数十万の方々が本稿を読んでいただき、多くの方々からご意見をいただいてきました。サイト上で恐縮ですが、お礼を申し上げます。ありがとうございます。頂いたご意見はとても参考になっております。おかげさまで執筆が進んできております。引き続き、本の内容についてご要望ご意見などをお伺いしております。アンケートこちらにてお願いします。

 


著者:アイ&カンパニー 入江仁之
脚注:本論文はビジネスにおけるOODAの適用について議論しています。

   OODAの軍事適用について議論するものでもございません。
   本論文はフィードバックに基づき随時、更新しております。
   OODAの研修・実装の詳細はこちらを参照してください。
出典:本論文は2005年以来のOODA実装結果に拠る提言です。参考文献こちらです。
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