直観の技術:OODA

 

直観 Intuitionとは、私たちが日常使っている経験に基づいた瞬時の判断です。一般的にビジネスで使われるその瞬間の判断です。

成果を左右すると頭に浮かぶ行動だけを検討して決めます。

知識や経験に基づいて心の中に浮かぶイメージ(いわゆるメンタルモデル)に情況の成り行きを当てはめて、とるべき行動を決めることが直観です。情況とメンタルモデルと照合してマッチする場合その解を決めます。科学的あるいは論理的な推論を挟まないで直接的に考えを定めます。

直観は勘ではありません。「直感」とは異なります。直観は、情況に応じて成否を見極める臨機応変の判断の際に使われます。


プロの直観

ゲイリークライン(Gary A. Klein)の研究では、消防士などプロフェッショナルは選択肢を洗い出してその中から分析して選ぶことなく、その場の情況から最適なイメージと情況を照らし合わせて判断して行動することが明らかになっています。

将棋で、次の手の選択肢が多すぎて読みきれないほど複雑な局面になってきますと、プロ棋士でも先の手を読みきれません。その時に先の手が瞬間でわかることがあります。これが直観です。


OODA

OODAで説明すると、O:Observeで情況を感知してO:Orientでイメージ(メンタルモデル)とマッチングさせ、D:Decideで即断して、A:Actで動きます。

OODAの詳細については、こちらを参照ください。


判断

直観力を研ぎ澄ますことにより、瞬時の判断ができるようになります。

判断」の詳細については、こちらを参照ください。


意思決定

直観は、意思決定と異なり選択肢を洗い出して比較検討し選定することをしません。行動パターンを常に想定していて、情勢に応じて的確な判断を下します。

意思決定 」の詳細については、こちらを参照ください。


直感

「直感」は、感覚的に感じとることです。論理的な説明ができない判断です。経験とは関係ありません。「」と言われるものです。勘(で答える)のような日常会話での用語です。


直観力の発揮の仕方

無心、無我、忘我の情態になると、主観がなくなり、自信過剰から解放され、潜在意識が活性化されて本来の力が発揮できます。


直観力を身につける方法

直観は、学習、鍛錬(反復の訓練)によって身につきます。裏返せば、鍛錬、訓練によってしか身につきません。歳をとるほど、経験を積むほど、直観によって解を得られます。一方の直感は、訓練をしても能力は向上しません。

直観の力を身につけるための鍛錬による技術習得モデルが、ドレイファス・モデルです。

ドレイファス・モデル」の詳細については、こちらを参照ください。


直感 Instinct

直感とは、物事を瞬時に感覚的に認識すること感じとることです。「で答える」のような会話で想定している、ある種の第六感を意味しています。当てずっぽうの場合もある。中にはヒラメキを期待していることもある。


直観が誤るリスクと対処法

直観が間違えるリスクを指摘したのが、ノーベル経済学賞受賞者のダニエル カーネマン(Daniel Kahneman)です。

主観自信過剰などの思い込みによって判断を誤ると指摘しています。人には癖があります。思いグセの枠を外すことが重要です。

また、認知バイアスによるものがあります。


直観が信用できる条件

ゲイリークラインとダニエルカーネマンの共同研究の結果、直観が信用できる条件を挙げています:

  • 知識や技能、解決パターンを十分に学習できている
  • 一定以上の訓練時間を経ている(チェスの場合、一万時間以上と言われています)
  • 技能や思考パターンを学習する環境が準備されている
  • 優れた指導者からフィードバックが得られる
  • 学習したことを実際に応用して練習する、積極的な学習意欲、やる気などがある
  • 訓練によって主観と自信過剰が抑制できるようになる
(”Conditions for intuitive expertise – A failure to disagree” / American Psychology 2009年9月号)

直観と意思決定を駆使した判断モデル:RPD

ゲイリークラインは、人間がいかにして選択肢を比較検討しないで迅速な判断ができるかを、RPD(Recognition Primed Decision、再認識主導決定)モデルにより説明しました(“Sources of Power” Gary Klein)。

瞬間の判断が必要な時間制限の厳しい、また判断がもたらす結果の影響が大きい究極の情況においては、達人(Expert)は経験を元に過去の同様の情況を瞬時に判別し、可能な行動をとることが発見されました。

RPDモデルは見当づけ、情況観察、直観と行動の進め方により3つの形態があります。これをOODAに基づいて整理するとわかりやすくなります。


形態1:行動パターンの単純な合致

情況を認識して行動パターンの照合をし情況が行動パターンと合致していると直観で判断すれば行動にうつします。

OODAのO:Orientで行動パターンと合致した場合に、D:Decideで直観で判断します。


形態2:行動パターンの修正シミュレーション

想定していた行動パターンと完全に一致しない場合、過去経験した情況や想定していた情況で近いものを直観で判断し、実際の情況に対して判断した行動パターンを修正してストーリーを組み立て直して当てはまるか観察し直し判断します。

OODAのO:Orientでの情勢と行動パターンのマッチができなかった場合に、見当をつけることができるまでO:ObserveとO:Orientでの行動パターンの見直しを続けます。


形態3:行動パターン導出をシミュレーション

複雑に変化する情況で、行動パターンが直観で行動にうつせなかった場合、情況に応じて想定される行動パターンを導き出す問題解決のプロセスをシミュレーションし試行して適切な方法を選び実行します。

OODAのA:Actでの行動ができなかった場合に、フィードバックをしてO:ObserveとO:Orientで観察と行動パターンの見直しを続けます。

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