OODAループ:管理統制では生き残れない

どんなに立派な計画を立てても、実行されなければ意味がありません。計画にのっとり管理統制することが目的ではありません。ビジョンを実現しビジネスを成功させることが目的です。

OODAループ (OODA Loop) は、直観等を活かした臨機応変の判断力と、その学習の技術です。

OODAループとは、判断のプロセスを示す以下の英語のイニシャルです:
 Observe = みる
 Orient    = わかる
 Decide   = きめる (Hypothesize=おもう)
 Act   __ = うごく (Test               =ためす)
ウーダとよびます。

OODAを導入した組織は、目的を明確にして形骸化されたことを排除してビジネスで成功している企業が出てきています。

本稿では、企業経営で注目されている経営者向けOODAを紹介していきます。

実務者向け「OODA:PDCAでは生き残れない」は、こちらを参照ください。

OODAの使い方「OODAループ:みる・わかる・きめる・うごく」は、こちらを参照ください。

「PDCAとOODAの違い:軍事の事例」は、こちらを参照ください。
「PDCAとOODAの違い:石橋の渡り方」は、こちらを参照ください。
「PDCAとOODAの違い:
受験勉強の仕方」は、こちらを参照ください。

「OODA:基礎理論」については、こちらを参照ください。
本稿で参考にした「ジョンボイドの著作と関連文献」は、こちらになります。


日本の大企業病:お客様視点からの乖離

計画統制 planning and control を具現化させたPDCAが限界にきています。計画統制つまりPDCA信仰は、日本の大企業に蔓延する病巣です。

経営は、現場を信頼しないで意味のない計画を策定します。

現場は、どうにか計画達成をさせますが、現場視点、お客様視点から優先すべきことが放置され、経営が気づかない潮目の変化から置き去りになり兼ねません。

PDCAは計画を作成することから考えます。PDCAはお客様視点を計画を経由して作業に落とすことから、お客様視点から乖離する危険があります。

お客様視点からの乖離という構造的な問題に経営者が気づいていません。現場はこの状況に限界が来ていると感じています。


計画統制が「指示待ち族」をつくる

計画統制は、計画を作成することから考え、この計画を基準に作業を決め、計画を基準に作業をチェックします。

計画に基づき現場に指示が降りてくると、現場では「やらされ感」が生まれてきます。計画の呪縛から計画にとらわれ計画サイクルの周囲を回らさせられているだけで、閉塞感を生じさせています。

部下は計画に基づいた指示にしたがい考えるようになります。上司の顔色を伺い内向きの思考を助長します。

スタッフは言われたことしか行いません。指示に従います。自分で考えなくなっていきます。指示待ちになります。「指示待ち族」になっていきます。気がつくと、組織全体が「指示待ち族」になっています。


CIA組織の殺し屋:指示待ち族

遅々として進まない日本の組織には、指示待ち族が多くいます。大半の従業員が指示待ち族になっている会社も少なくありません。

指示待ち族が日本の組織を壊します。

CIAが機密解除した「組織の殺し屋」実践マニュアルの紹介をとおして、組織の崩壊の実態について警告します。

CIA組織の殺し屋:指示待ち族」の詳細については、こちらを参照してください。


遅々として進まない日本の組織

日本企業

残念ながら多くの大手日本企業は、歴史を積み重ねてくると同時に、現場で判断できなくなってしまいました。判断力を行使することができないのです。

社内の空気や政治に気遣い、経営計画そして規定やマニュアルに縛られ形式主義が過剰となり、指揮し命令を出す上位組織からの指示を待つ風土が根付いています。大企業病です。

日本の官僚組織

官僚組織も全く同様です。ほとんどの事柄が法令や前列で縛られています。これらに準拠しないことが認められない空気があります。空気に支配され思考停止にさえなっています。

日本の組織への処方箋:OODA

VUCAの時代の今日、想定していなかったことが起き、取り返しのつかない事態になることが頻発しています。判断を遅らせるこれら組織的な風土を変えると同時に、判断をする能力を強化していかなくてはなりません。

この組織改革の道しるべとしてOODAが活用できます。


計画統制が日本を壊す

経営計画を組織に展開して、部下を計画統制する時代は終わりました。


想定外のことが起きない世界

日本には、社長が交代すると中期経営計画を策定するという慣行があります。中期経営計画は、想定外のことが起きない世界では今でも有効です。

ただ現実には、変化のない世界はほとんどありえない状況です。全ての変化が予測でき想定できるとは考えられません。たとえば、経営計画を策定している最中でも為替は変動し、会計数値は変化します。

中期経営計画が評価されているのは、中期でどのようなビジョンを持って戦略を遂行し、その結果が計画どおりに実現できたか経営を評価できるところにあります。この点は古いといって否定すべきではありません。実績のフィードバックは重要なのです。

ただし、中期経営計画に対して実績をチェックして管理する方法では、完全な計画が作れるかが問題になります。

実績の管理でお客様の視点など展開する外部環境の動きを放置しかねない問題があります。

OODAは、結果をフィードバックするだけではなく、それと同時に最新の状況をみて、方向性を見直します。


想定外のことが起こる世界

想定外のことが起こる世界では、経営計画は勝ち残るどころか弊害があり、かえって事を悪化させます。

前提とする環境が変わってしまっていては、経営計画を達成することが意味を成さないことが多いにあり得ます。計画を実現しても企業の崩壊までももたらしかねません。

日本では未だ多くの方々が、「経営計画を作れ」「経営計画にしたがって現場は仕事をせよ」といわれます。しかし、経営計画は限定された場面でしか有効ではありません。すべてが制御できる環境下でしか適用できないのです。


想定外のことが起こる世界では生き残れない

想定外のことが起こるVUCAの世界ではOODAが有効です。

私たちが日常、どのような状況ではどのように考えて行動したらいいかを明らかにするのが VUCAフレームワーク VUCA Framework です。

VUCAフレームワークは、どのような状況下でどのように判断しどう行動したらいいかを示してくれます。世界を、状況を知っているか、そして行動の効果を予測できるかで分類されます。このことから、対応すべき世界を重複がなく網羅して分類しMECEになっています。

このフレームワークにより、想定外のことが起こる変わり続ける世界ではOODAが有効であることが示されています。

VUCAフレームワーク」の詳細は、こちらに紹介しています。


VUCAの時代に勝ち残る技術

私たちの日常のビジネスで役に立つOODAは、軍事OODAをもとに「これからの世界で勝ち残る組織力」として開発されたモデルです。

OODAのコンセプトを日常のビジネスの世界に適用して実績をあげています。

ビジネスにおいて勝ち残るために有効な次世代の発想法、認知心理学、行動経済学、思考法、動機付け、組織と業務モデルなど包括的なものとなっています。

これまですでに日本の一部の大手先進企業がOODAを適用してきております。これら先進企業は、現場が判断力を行使して主体性を発揮できる組織となり、抜本的かつ持続的な成長を実現させています。


OODA:シリコンバレーはじめ欧米企業で採用

OODAは、ビジネスの世界でも適用が進み、モチベーションを高めて劇的かつ継続的に生産性を上げるという成果を上げてきています。

旧来の計画を示して実行結果をチェックする計画統制が、時代にそぐわなくなってきています。

すでにアメリカ シリコンバレーのIT企業はOODAでオペレーションをしています。スタートアップにおいてもOODAに基づいた方法論が普及しています。仕事の意義に共感すると、旧来の計画統制よりもワイワイ、ガヤガヤとハードワークをしています。

日本の一部の先進企業もPDCA型経営管理から OODAに転換しています。お客様接点を起点とした一枚岩の経営です。


OODAの歴史

絶対的な指揮命令統制にしたがい命をかけて行動していた軍隊で使われています。OODAは、軍事の世界で戦略を全面転換させました。その理論的根拠と歴史を考察することで理解に役立ちます。

OODAの歴史:戦略の全面転換」は、こちらを参照してください。


経営の方法:夢・ビジョンと連動させた意識改革

VSMA

日本企業が心血を注いで策定している中期経営計画事業計画を置き換えるべきなのが、ビジョンを起点にした戦略と行動の管理です。

中期経営計画や事業計画を置き換え、意識改革と目標管理を効果的に推進するのに有効なツールが世界観:VSMAです。

世界観:VSMA

VSMAは世界観として、人間の脳の使い方について気づきを与えてくれます。

世界観:VSMA」の詳細は、こちらに紹介しています。

目標管理:VSMA

また、VSMAは仕事においては仕事観として意識改革ができます。目標管理として、夢ビジョンを実現するために、組織の構成メンバーが各々の役割を自ら考え主体的に行動するためのヒントを与えてくれます。

VSMAを使い、経営トップは、組織のビジョンと、そのビジョン実現のための戦略、戦略遂行に必要な関係メンバーのメンタルモデルの再定義、そして行動方針を決めます。

経営トップの直属の部下(ダイレクトレポート)は、経営トップのビジョンを所与として、自らの役割を全うするための戦略、戦略遂行に必要な関係メンバーのメンタルモデルの再定義、そして行動方針を決めます。組織の構成メンバーが各々の役割に応じてビジョン・自己実現と紐付けて考える方法です。

このビジョン実現に向けた人心掌握、組織運営の方法がVSMAを使った目標管理です。

従来のKPIなどの数値目標管理は、その目標がトップダウンで無理やり設定されていたり、評価結果が恣意的で合理性がなく従業員から反発を受けていたりします。

VSMAに基づいた目標管理の制度を活用することによって、従来のKPIなどの数値目標管理を置き換えることができます。

目標管理:VSMA」の詳細は、こちらを参照してください。


OODAに基づく次世代経営戦略

いよいよ、第6世代OODAを踏襲した第6世代経営戦略を導入する段階になってきています。OODAに基づいて構築した次世代の経営のモデルが、第6世代経営戦略です。

次世代:第6世代OODA」そして「第6世代経営戦略」の詳細については、こちらを参照ください。


次世代 事業創成方法論:RPAD™

アメリカの起業家エリック・リースEric Riesが提唱するリーンスタートアップThe Lean Startupも、トヨタ生産方式を研究し、OODAループの影響を受けて、起業(スタートアップ)の方法を構築しています。

私どもは、大手企業におけるイノベーションの実現や事業創成において、OODAを実装し実績をあげてきました。これらの知見に基づき、OODAをもとにエコシステムの創出、システムロックイン戦略の構築などを包括的に扱う次世代の事業創成方法論:RPADを開発しております。RPADは、大手先進企業に適用しその有効性が実証されています。

次世代 事業創成方法論:RPAD™」の詳細は、こちらを参照ください。


次世代 生産性向上方法論:PMQIR™

OODAで生産性向上が実現します。自律分散により一人ひとりがモチベーションをあげ、やりがいを持って仕事ができる企業文化を作り上げ、生産性を飛躍的に向上させます。

次世代 生産性向上方法論:PMQIR™が具体的にその道筋を示してくれます。昨今ブームとなっています「働き方改革」を包含し生産性向上を実現させてくれます。

次世代 生産性向上方法論:PMQIR™」の詳細は、こちらを参照ください。


自律分散組織、ネットワーク組織、そしてワクワクする組織

軍事OODAではミッションの共有のもと、想定できない現場の判断は現場に任せます。ミッションコマンドといわれています。従来のディーテイルコマンドは現場の行動についても指示していたので指示待ちになり、現場が混乱し歴史上の多くの戦闘で敗退しました。

OODAに基づき、ビジョンを起点に、その実現を自律分散型で実現します。

OODAを組織に実装するためには意識改革を含めた組織改革が必要です。

OODAをビジネスに適用した組織モデルには「自律分散組織」「ネットワーク組織」そして「ワクワクする組織」があります。

これらの組織についての詳細は以下の各々の組織モデルを参照ください。

自律分散組織

ネットワーク組織

ワクワクする組織


OODAの貴社への導入適用

OODAを備えた組織へ転換するには時間を要します。多くの企業が5年ほどかけて組織転換を果たしています。

加えて、OODA実装の方法も従来の方法と異なります。現状分析し実行計画を策定してから導入するといった従来の管理統制の方法で進めていては、OODAの考え方を最初から否定して阻害したままでOODAの導入になりません。

しかし、成功裏にOODA実装ができると効果は絶大です。OODA型の企業と管理統制にこだわっている企業とでは差がつき、その差はますます広がっています。退場している企業が管理統制型企業がであることからも明らかです。

先進企業がOODAの実装に取り組み、成果を出してきています。

OODA:導入適用方法論」に取り組む際の論点については、こちらを参照してください。


OODAの適用にあたっての注意点

OODAの本質は全ての次元において従来の論理的かつ分析的なアングロサクソン流のモデルと異なります。

OODAは、組織構造や制度、文化を含んだ包括的な転換を必要とします。

幸いなことにOODAは現場主義などの日本的な文化を基盤にしています。部分的な欧米流の経営理論から包括的な現場主義の経営への転換が肝要となっているのです。

私どもが10年以上に及び主要大手企業においてOODA導入に関与してきた経験から、以下のアドバイスができます。

部分的な取り組みではOODAの本質を理解することが困難です。一部の誤解が混乱をもたらします。分析的に把握するのではなく、包括的に取り組む必要があるのです。

ここでは、以下にOODAに基づく企業改革の事例を紹介することによりビジネスでのOODAの使い方の説明とします。

OODA:よくある誤解

経営の現場への丸投げ

OODAを経営に適用すると、現場に責任を丸投げすることになるが、できないという意見があります。

OODAはビッグOで、経営と現場が同じ認識、価値観を持たせることになります。このような誤解は当てはまりません。

OODA:よくある誤解」の詳細については、こちらを参照ください。


日本企業へのOODA適用の成果

日本企業へのOODA導入適用の成果については、こちらを参照ください。


OODA関連論文の公開

日本が再興するためにお役に立ちたいと考え、本稿等の論文を公開します。

OODAに関する主な論文とその要約は、こちらを参照してください。


OODA研修セミナー

OODAを紹介する研修セミナーの詳細については、こちらを参照ください。


OODA本の出版:アンケートのお願い

OODAの考え方を日本の企業や組織に浸透していくことを期待する声が高くなってきています。このような要望に応え、OODA本の構想を練ってまいりました。

現在、みなさま方と一緒に書籍を作って行くために、本の内容についてご要望ご意見などをお伺いしております。

アンケート」をこちらにてお願いします。ホワイトペーパーをお礼に贈呈します。


お問い合わせ

「研修セミナー」「講演」「経営コンサルティング」「助言」などのお問い合せは、こちらへお願いいたします。

著者:アイ&カンパニー 入江仁之
脚注:本論文はビジネスにおけるPDCAとOODAの適用について議論しています。
脚注:PDCAの品質統制での適用について議論をするものではございません。
脚注:また、OODAの軍事適用について議論するものでもございません。
脚注本論文はフィードバックに基づき随時、更新しております。
脚注OODAセミナー・講演・研修の詳細はこちらを参照ください。
出典:本論文の参考文献こちらを参照ください。
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