OODAマネジメント:「すぐ決まる組織」の作り方

OODA Management

夢をもって仕事ができていますか?恐怖政治で従業員に仕事をさせても、夢中で仕事をしている組織にはかないません。人は夢の実現に集中できることで、やる気がでて、熱中することができます。生産性が爆発的に上がります。創造性が上がり、ワクワクして仕事ができます。幸せになれます。

OODAマネジメントは、これからの人工知能AIの時代に勝ち残るためのOODAループを実装した経営です。

OODAマネジメントにより、想定外でも迷わない「すぐ決まる組織」を作ることができます。やりがいを持って仕事ができる組織を作ることができます。お客様、社員、株主、取引相手、社会が幸せになる次世代の自律分散組織です。

OODAループは世界最強の戦略の一大理論 grand theory*です。

本稿では、経営者ビジネスパーソン向けに企業経営で注目されているOODAマネジメントを紹介します。次世代で勝ち残る組織モデル、マネジメント、戦略論です。

*Hammond, Grant T. (2018)  P.4

AI時代に勝ち残る組織モデル

人工知能の普及により、定型的な仕事はAIに置き換わってきています。これからの時代においては、人間の強みである問題設定、アイデア創造などの思考力を活かしていける組織が勝ち残っていきます。


次世代の組織モデル

個々人がOODAループの思考法を身につけることにより主体的に考え、夢中になって仕事ができる次世代型の組織です。定型業務を主体として作られた旧来の組織は、失敗を許しませんでした。次世代の組織は、ビジョンに向かってチャレンジしていくことを求めていきます。


自律分散の組織モデル

変化し続ける世界では、従業員が主体になって仮説を考え成功するまで繰り返し実証していく必要があります。自律分散組織です。


シリコンバレー企業で成功している組織モデル

シリコンバレー企業を筆頭にして、OODAマネジメントを導入し成功している企業が出てきています。目的を明確にし形骸化された手続きを排除して成果が出ることに集中できる環境を作っています。

軍事では湾岸戦争をはじめ、アメリカ軍や北太平洋条約機構NATO軍などで成功例が出てきています。ビジネスでは、欧米の先進企業そして日本企業において導入が進んでいます。

私たちは2005年からOODAマネジメントをアメリカから導入しビジネスに適用をはじめました。各社では組織の活性化が進み、生産性が10倍以上になっている大手企業も出てきています。


従来型組織の問題点

日本の企業組織

残念ながら多くの日本企業は、歴史を積み重ねてくるとともに、現場で判断して実行できなくなってしまいました。すぐに決めて行動することができないのです。

予算制度などはその典型例です。予算に計上されていないと新たな活動ができません。翌期の予算がつくまで待つことになります。逆に予算があると盲目に費用が出ていきます。

このようなことから。社内の空気や政治に気遣う風土ができています。経営計画そして規定やマニュアルに縛られ形式主義が過剰となっています。指揮し命令を出す上位組織からの指示を待つ風土が根付いています。大企業病です。


日本の官僚組織

官僚組織も全く同様です。日本の法規制が、暗黙のうちにポジティブリスト制度になっているのが元凶の一つです。決められたことだけが認められます。そして。ほとんどの事柄が法令や前列で縛られています。これらに準拠しないことが認められない空気があります。空気に支配され思考停止になりかねません。


計画統制が「指示待ち族」をつくる

計画による統制は、計画を立て、その計画を基準に作業を決め、計画を基準に作業結果をチェックします。計画通りにできなかったり、失敗したりしたら減点評価となります。

どんなに立派な計画を立てても、計画の目的が実現されなければ意味がありません。お客様、従業員、取引相手、株主、社会が幸福にならなければビジネスの成功とはいえません。

管理の方法としてPDCAが使われてきました。PDCAを回させると、継続的な改善には有効です。しかしこれでは、新たな夢に向かったチャレンジには制約になりかねません。アメリカでは経営にPDCAは使われていません。

本社が立てた計画にしたがい現場に指示が降りてくると、現場では「やらされ感」が生まれてきます。計画・実行・検査・改善サイクルを回させられているだけです。計画の呪縛から逃れられません。閉塞感が立ち込めています。

部下は計画にしたがい考えるようになります。計画が所与で、前提を見直すようなことはしません。上司の顔色を伺い内向きの思考を助長します。

スタッフは言われたことしか行いません。指示に従います。自分で考えなくなっていきます。失敗をしたら減点されてしまうため、冒険しません。「指示待ち族」になっていきます。


日本企業の指示待ち族

遅々として進まない日本の組織には、指示待ち族が多くいます。大半の従業員が指示待ち族になっている会社も少なくありません。指示待ち族が日本の組織を壊します。


CIA組織の殺し屋:

アメリカCIAが第二次世界大戦時に敵国の組織を壊滅させるためにスパイに指示した文書が機密解除されました。「組織の殺し屋」実践マニュアルです。

そこには、組織を崩壊するために指示待ち族を作り、指示待ち族が組織を乗っ取る方法が示されていました。

CIA「組織の殺し屋」実践マニュアルは、現代の日本企業に対する警告として受け止めなくてはなりません。


日本企業の指示待ち族

計画統制を基本とするPDCAが限界にきています。計画統制つまりPDCA信仰は、日本の大企業に蔓延する病巣です。

本社は、現場を信頼しないで意味のない計画を策定します。

現場は、どうにか計画達成をさせますが、現場視点、お客様視点で考えたら当然に優先すべきことが放置されていきます。経営が気づかない現場の潮目の変化が見落とされます。

計画策定において、お客様視点の発想はあるかもしれません。しかし、作業の計画によって指示されることから、作業がお客様視点から乖離する危険があります。

お客様視点からの乖離という構造的な問題に経営者が気づいていません。現場はこの状況に限界が来ていると感じています。


計画統制が日本を壊す

経営計画を組織に展開して、部下を計画統制する時代は終わりました。


想定外のことが起きない世界

日本には、社長が交代すると中期経営計画を策定するという慣行があります。中期経営計画は、想定外のことが起きない世界では今でも有効です。

ただ現実には、変化のない世界はほとんどありえない状況です。全ての変化が予測でき想定できるとは考えられません。たとえば、経営計画を策定している最中でも為替は変動し、会計数値は変化します。

中期経営計画が評価されているのは、中期でどのようなビジョンを持って戦略を遂行し、その結果が計画どおりに実現できたか経営を評価できるところにあります。この点は古いといって否定すべきではありません。実績のフィードバックは重要なのです。

ただし、中期経営計画に対して実績をチェックして管理する方法では、完全な計画が作れるかが問題になります。

実績の管理でお客様の視点など展開する外部環境の動きを放置しかねない問題があります。

OODAは、結果をフィードバックするだけではなく、それと同時に最新の状況をみて、方向性を見直します。


想定外のことが起こる世界

想定外のことが起こる世界では、経営計画は勝ち残るどころか弊害があり、かえって事を悪化させます。

前提とする環境が変わってしまっていては、経営計画を達成することが意味を成さないことが多いにあり得ます。計画を実現しても企業の崩壊までももたらしかねません。

日本では未だ多くの方々が、「経営計画を作れ」「経営計画にしたがって現場は仕事をせよ」といわれます。しかし、経営計画は限定された場面でしか有効ではありません。すべてが制御できる環境下でしか適用できないのです。


想定外のことが起こる世界:VUCA

私たちが日常、どのような状況ではどのように考えて行動したらいいかを明らかにするのが VUCAフレームワークです。VUCAフレームワークは、どのような状況下でどのように判断しどう行動したらいいかを示してくれます。世界を、状況を知っているか否か、そして行動の効果を予測できるか否かで二次元で分類されます。このフレームワークにより、状況を知っていて行動の効果を予測できたとしても、計画に決められていない想定外のことであれば、計画主導では対応できないことがわかります。状況を知っておらず、行動の効果も予測できなかったら完全にお手上げです。


戦略のない日本企業

大半の日本企業は、具体的なビジョンや有効な戦略がなく、計画を中心に経営をしています。計画統制です。マイケルポーターをはじめアメリカの経営学者も、日本企業には戦略がないといっています。

遡ると第二次世界大戦において「日本軍には戦略がない」と米国からいわれていました。

模倣してより品質のいいモノやサービスを提供していさえすれば成功した時代は過去のものとなりました。先行きの予測ができないVUCAの今日、戦略がなくては生き残れません。

大半の日本企業は、実現を目指す姿や状況が明確ではありません。これまでの行動を繰り返し工夫することに関心が注がれています。経営理念、行動指針をうたっている企業は多くあります。しかしそれは理念的な観念論から脱却できていません。会社が具体的にどんな世界を実現しようとしているかを従業員がイメージできていないケースが多々あります。

この実現しようとする姿をアメリカではビジョンと読んでいます。

特にシリコンバレーでは、ビジョンが重要視されています。素晴らしいビジョンがあれば何ももない起業家に数十億の投資がされるのです。

このビジョンを実現する方法が戦略です。ビジョンがなくては向かう方向が不明なので戦略は作れません。


OODAマネジメント:すぐ決まる組織

日本の組織への処方箋:OODAマネジメント

想定していなかったことが起き、取り返しのつかない事態になることが頻発しているのが、今日のVUCAの時代です。判断を遅らせるこれら組織的な風土を変えると同時に、判断をする能力を強化していかなくてはなりません。

このような病巣を覗きに、希望に満ちた社会そして組織を作る方法が、OODAマネジメントです。OODAループの思考が効果を発揮します。想定外のことが起こるVUCAの世界ではOODAが有効です。

OODAマネジメントはビジネスの世界でも適用して実績をあげています。これまですでに日本の一部の大手先進企業がOODAを適用してきております。これら先進企業は、現場が判断力を行使して主体性を発揮できる組織となり、抜本的かつ持続的な成長を実現させています。


すぐ決まる組織

OODAマネジメントとは、お客様など相手の心と自社そして状況をみて、思い込みや形式にとらわれないで本質を見極め、直観等を活かして臨機応変に動き、夢を実現する「すぐ決まる組織」です。そしてOODAマネジメントは「すぐ決まる組織」の作り方を示してくれます。

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ビジョンと戦略

組織が、ビジョン実現に向けて既成観念にとらわれず常に全身全霊で問題を探し仮説を考えそれが相手の心を動かすか観察して検証しビジョンを実現していきます。


シリコンバレーはじめ欧米企業で採用

アメリカでは、ビジネススクールでもOODAが教えられています。アメリカのシリコンバレーを中心に使われているデザイン思考リーンスタートアップはOODAの理論が基盤にあります。

OODAは、ビジネスの世界でも適用が進み、モチベーションを高めて劇的かつ継続的に生産性を上げるという成果を上げてきています。

旧来の計画を示して実行結果をチェックする計画統制が、時代にそぐわなくなってきています。

すでにアメリカ シリコンバレーのIT企業はOODAでオペレーションをしています。スタートアップにおいてもOODAに基づいた方法論が普及しています。リーンスタートアップやスクラム、デザイン思考などはその例です。そこでは、ワイワイ、ガヤガヤと賑やかにハードワークをしています。

日本の一部の先進企業もPDCA型経営管理から OODAマネジメントに転換しています。お客様接点を起点とした一枚岩の全員参画経営です。

私たちの日常のビジネスで役に立つOODAマネジメントは、軍事での成功をもとに「これからの世界で勝ち残る組織力」として開発されたモデルです。

ビジネスにおいて勝ち残るために有効な次世代の発想法、認知心理学、行動経済学、思考法、動機付け、組織と業務モデルなど包括的なものとなっています。


OODAループ

OODAマネジメントの中心となっている思考法がOODAループです。OODAループは、五つのプロセスからなっています:
Observe = みる
O
rient    = わかる
Decide   = きめる (Hypothesize=おもう)
Act   __.= うごく (Test               =ためす)
Loop   _ = みこむみなおす

 


OODAマネジメントによる意識改革

日本企業が心血を注いで策定している中期経営計画や事業計画を置き換えるか補完すべきなのが、ビジョンを起点にした戦略と行動マネジメントです。

思考方法、世界観の見直し:

中期経営計画や事業計画を置き換え、意識改革と目標管理を効果的に推進するのに有効なツールが世界観:VSAです。VSAはそれまでの固定観念・メンタルモデルなどを再認識して、目指す夢やビジョンを言葉で再確認することで意識改革が進んでいきます。人間の脳の使い方について気づきを与えてくれます。

目標管理の見直し:

VSAを目標管理としても適用します。VSAは夢ビジョンを実現するために、組織の構成メンバーが各々の役割を自ら考え主体的に行動するためのヒントを与えてくれます。

VSAを使い、経営トップは、組織のビジョンと、そのビジョン実現のための戦略、戦略遂行に必要な関係メンバーのメンタルモデルの再定義、そして行動方針を決めます。

経営トップの直属の部下(ダイレクトレポート)は、経営トップのビジョンを所与として、自らの役割を全うするための戦略、戦略遂行に必要な関係メンバーのメンタルモデルの再定義、そして行動方針を決めます。組織の構成メンバーが各々の役割に応じてビジョン・自己実現と紐付けて考える方法です。

このビジョン実現に向けた人心掌握、組織運営の方法がVSAを使った目標管理です。

従来のKPIなどの数値目標管理は、その目標がトップダウンで無理やり設定されていたり、評価結果が恣意的で合理性がなく従業員から反発を受けていたりします。

VSAに基づいた目標管理の制度を活用することによって、従来のKPIなどの数値目標管理を置き換えることができます。


OODAマネジメントによる事業創成

アメリカの起業家エリック・リースEric Riesが提唱すリーンスタートアップ The Lean Startupも、トヨタ生産方式を研究し、OODAループの影響を受けて、起業(スタートアップ)の方法を構築しています。

シリコンバレーで普及しているデザイン思考もOODAループ概念に基づいています。

私どもは、大手企業におけるイノベーションの実現や事業創成において、OODAを実装し実績をあげてきました。これらの知見に基づき、OODAをもとにエコシステムの創出、システムロックイン戦略の構築などを包括的に扱う次世代の事業創成方法論:RPADを開発しております。RPADは、大手先進企業に適用しその有効性が実証されています。


自律分散組織、そして「ワクワクする組織」

軍事ではミッションの共有のもと、想定できない現場の判断は現場に任せます。ミッションコマンドといわれています。従来のディーテイルコマンドは現場の行動についても指示していたので指示待ちになり、現場が混乱し歴史上の多くの戦闘で敗退しました。

OODAマネジメントは、ビジョンを起点に、その実現を自律分散型で実現します。そのためには意識改革を含めた組織改革が必要です。

OODAをビジネスに適用した組織モデルには「自律分散組織」「ネットワーク組織」そして「ワクワクする組織」があります。


OODAマネジメントの適用方法

OODAマネジメントを実装するには時間を要します。多くの企業が5年以上かけて組織転換を果たしています。

加えて、OODA実装の方法も従来の方法と異なります。現状分析し実行計画を策定してから導入するといった従来の管理統制の方法で進めていては、OODAの考え方を最初から否定して阻害したままでOODAの導入になりません。

しかし、成功裏にOODA実装ができると効果は絶大です。OODA型の企業と管理統制にこだわっている企業とでは差がつき、その差はますます広がっています。退場している企業が管理統制型企業がであることからも明らかです。

先進企業がOODAの実装に取り組み、成果を出してきています。


OODAマネジメントの適用にあたっての注意点

OODAマネジメントの本質は全ての次元において従来の論理的かつ分析的なアングロサクソン流のモデルと異なります。

OODAは、組織構造や制度、文化を含んだ包括的な転換を必要とします。

幸いなことにOODAは現場主義などの日本的な文化を基盤にしています。部分的な欧米流の経営理論から包括的な現場主義の経営への転換が肝要となっているのです。

私どもが10年以上に及び主要大手企業においてOODA導入に関与してきた経験から、以下のアドバイスができます。

部分的な取り組みではOODAの本質を理解することが困難です。一部の誤解が混乱をもたらします。分析的に把握するのではなく、包括的に取り組む必要があるのです。

ここでは、以下にOODAに基づく企業改革の事例を紹介することによりビジネスでのOODAの使い方の説明とします。


OODAルマネジメント:よくある誤解

経営の現場への丸投げ

OODAマネジメントを適用すると、現場に責任を丸投げすることになるが、そんなことはできないという意見があります。

OODAマネジメントでは「わかる:ビッグO」で、経営と現場が同じ認識、価値観、世界観を持つことを実現させます。現場への丸投げにはならず、現場と一体となって行動することになります。

 

 

 


OODAループに興味を持たれた方へ

日本の組織を蝕む病とその原因を明らかにし、日本を再生させて行かなくてはなりません。日本再興にお役に立ちたいと考え、本稿等の論文を公開します。

上記で紹介しました論点などの詳細についてご興味のある方は以下をご覧ください:

OODAに関する主な論文のリストとその要約を、こちらに紹介します。
代表的なものは、以下です:
OODA思考:「世界最速の思考法」

PDCAサイクルに関する主な論文のリストとその要約を、こちらに紹介します。
代表的なものは、以下の3つです:
OODAループ:PDCAでは生き残れない [要約]
PDCAサイクル:問題点と致命的欠点
PDCAとOODAの違い


OODAの書籍刊行

OODAマネジメントを日本の企業や組織に導入していくことを期待する声が日々に高くなっています。三年以上に渡りOODAに関する本格的な書籍の出版を準備してまいりました。これまでに数十万の方々が本稿を読んでいただき、多くの方々からご意見をいただいてきました。サイト上で恐縮ですが、お礼を申し上げます。ありがとうございます。頂いたご意見はとても参考になっております。おかげさまで執筆が進んできております。引き続き、本の内容についてご要望ご意見などをお伺いしております。アンケートこちらにてお願いします。

 


著者:アイ&カンパニー 入江仁之
出典:本論文は2005年以来のOODA実装結果に拠る提言です。参考文献はこちらです。
脚注:本論文はビジネスにおけるOODAの適用について議論しています。
脚注:本論文はフィードバックに基づき随時、更新しております。
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