CIA:組織の殺し屋、指示待ち族

みなさんの身の回りに、指示待ち族はいませんか?

あるいは、以下のような行動をしている人はいませんか?


会議

  • あらゆる問題について十分な検討をする。
    そのために、委員会をつくり、できるだけ多くのメンバーに会議に出席してもらい議論する。
  • 会議で発表するプレゼンテーションや報告などのための資料は、どのような質問が出ても回答できるように準備する。
    そのために、会議で聞かれると想われる質問を洗い出して、その質問の回答に必要な資料を関係する部門に提出してもらい、それらを取りまとめて準備して会議に臨む。
  • 会議の議事録などの文書は、誤解が生まれないように発言内容を忠実に記載する。表現に注意し細かな言葉尻にもこだわる。
  • 会議では、疑問点があれば、前回の打ち合わせで決められたことでももう一度戻って議論する。
  • 会議の議論では、会議出席者に注意深さや道理をわきまえた発言をするようにうながす。
    物事を拙速して進めると後々問題が発生しておおごとになることもあるので慎重に判断するように心がける。
  • 会議の出席者に必ず出席させる。
    そのために重要な仕事があっても会議を優先することを徹底する。

組織

  • 規定などの手順を守るようにする。
    他の部門の関係者と直接やり取りしない。必ず部門の上司など指揮命令系統に従い、手続きを飛ばして仕事を進めないようにする。
  • 会社内や部門内の立場そして意思決定権限を守る。
    その行動が本当に自分の部門内の権限でやっていいのか、上層部の決断を仰がなくてよいのか、必ず確認して進める。

管理職

  • 仕事のできない部下であってもえり好みして不当に評価して昇進させる。
    仕事のできる部下であっても気に入らない者に対しては、仕事の間違いを避難し不公平な評価をして、部下の士気が下がっても気にしない。
  • 部下に全ての規則を厳格に守るように指示する。
    どんな仕事を進める場合にも必ず承認を取らせる。自分だけで承認できることでも他の関係者の承認をもらうことを求める。
  • できるだけ書類を作成させる。
    重複した資料が入っていても一つ一つの書類が完全に網羅しているように作らせる。
  • 時間がかかっても、完成度の高い資料を作成するように指示する。
  • 新しい仕事を教えるときには、作業を中心に指示をする。簡潔にする。
    仕事を依頼するときには、作業手順を重視して依頼する。重要ではない仕事であっても作業手順にこだわる。
    過ちをひきおこしても影響ないように全てを任せない。
    重要な仕事かどうかの判断はさせず、ただ指示した作業だけをさせる。

従業員

  • 時間がかかっても仕事の準備、計画を丁寧に行う。
    上司の時間が取れるのを待って準備した内容を上司に確認してもらう。上司からコメントがでた内容について見直しを繰り返す。
  • システムなどのツールが仕事に不効率であっても我慢してつかう。
  • 仕事がうまく行かない場合には、自分の責任でないことを明確にする。
    そのため、仕事のできない理由を仕事の与えられ方が悪いなどと他人や会社のせいにして非難する。
  • 苦労して学んだノウハウを他の人に教えない。
    仕事の経験やノウハウは自分が苦労して獲得してきたもの。自分の評価にならないことで他人を助け合たり、協力したりしない。
  • だれもが興味をそそられる噂話しをする。
    混乱をひきおこすかは気にしない。
  • 会社側に従業員処遇の問題をできるだけ多くの従業員を巻き込んで追及する。
    そのため、会社が十分な説明をしていないので納得いかないと主張する。会社側がどんな説明をしても自分が納得できないと主張して追及を緩めない。

電話

  • オフィスなどで電話を取り次ぐ時に、取り次ぐ電話番号を間違えたりして時間をかけてしまう。不可抗力があったり忘れたりして取り次がない。

移動

  • 出張旅行の際に、日程や時間、フライトや列車の予約や発券を誤る。

オフィスその他

このほかに、以下などの行動をする。

  • オフィスなどの建物の機能を破壊する。
  • 製造業や鉄鋼、炭鉱、農業などの生産、鉄道、陸路、水路などの輸送、通信、電力の機能を破壊する。
  • 組織のモラルを低下させ混乱させる。

日本の組織を壊す

組織の殺し屋

これらを意図して行動している人は組織を潰すスパイ、組織の殺し屋です。組織の労働生産性(労働に対する付加価値額、以下、生産性という)を下げます。そして組織を潰します。

指示待ち族

意図していなくても結果的にこのような行動をしているようだと、生産性を下げ、組織を潰すことをしていることになります。指示待ち族です。

みなさんの身の回りに、このような行動をしている人はいませんか?


CIA スパイ実践マニュアル

これらは、アメリカCIA機密文書「組織を潰すスパイ実践マニュアル」で指示されたものです。

第二次世界大戦中のアメリカ軍の特務機関で諜報機関、CIA中央情報局の前身Office of Strategic Servicesが1944年1月17日に出した「Simple Sabotage Field Manual」です。このマニュアルが2008年に機密解除され公開されました。


アメリカによる敵国ドイツの組織破壊

第二次世界大戦時に、アメリカは敵国ドイツ国内にアメリカ諜報機関のスパイを潜入させドイツの会社などの組織を潰す活動をさせました。

スパイが組織を崩壊させるために現場で何をすべきか具体的な行動を指示しました。人間ではなく組織を殺すことを使命としたスパイ「組織の殺し屋」の行動です。組織の殺し屋の実践マニュアルとして出されました。


なぜ、日本の組織破壊をしなかったか

アメリカがドイツだけで日本にスパイを潜入させなかったのには理由があると考えられます。

その理由の一つが、すでに日本でこのような行動がとられていたと思われます。第二次世界大戦時に、スパイが活動するまでもなくすでに日本の組織でこのような行動がとられていて、日本人の仕事の生産性が低かったのです。

戦前から日本人は、本人が意図していなくても多かれ少なかれ生産性を下げる仕事の仕方をしてしまう傾向が高かったと推察します。


日本は先進国最下位の生産性

少なくとも私共が日本とアメリカの組織で同じ業務の生産性を比較した際には、日本の方がアメリカに対して4割ほど生産性が低かったのです。


「国内総生産GDP」成長と「一人あたり生産性」成長の違い

日本が戦後、国内総生産GDPの劇的な成長を果たし、世界に冠たる先進国になりました。しかし、これは、日本人「一人あたり生産性」の向上によるものではなく、日本人の人口が爆発的に増加したための国内総生産GDPの増加です。


生産性を低下させるPDCA

これらは、準備、移動、待ち、検査、確認、承認、重複といった組織の活動にブレーキをかける行動です。

これらは、PDCAサイクルが求めている行動でもあります。

PDCAの、計画(Plan)の準備、チェック(Check)の検査、確認、承認、待ち、そして改善(Action)の重複が、生産性を低下させることになりかねません。

PDCA:概要と実際」の詳細については、こちらを参照してください。

PDCA:問題点と致命的欠点」の詳細については、こちらを参照してください。


PDCAを補完するOODA

日本企業の弱点を補完してくれるのがOODAです。

PDCAの欠点を補完するOODA」の詳細については、こちらを参照してください。


論文の公開

日本が再興するためにお役に立ちたいと考え、本稿等の論文を公開します。

OODAに関する主な論文とその要約は、こちらを参照してください。

PDCAに関する主な論文とその要約は、こちらを参照してください。


OODA本の出版:アンケートのお願い

OODAの考え方を日本の企業や組織に浸透していくことを期待する声が高くなってきています。このような要望に応え、OODA本の構想を練ってまいりました。

現在、みなさま方と一緒に書籍を作って行くために、本の内容についてご要望ご意見などをお伺いしております。

アンケート」をこちらにてお願いします。ホワイトペーパーをお礼に贈呈します。


お問い合わせ

「研修セミナー」「講演」「経営コンサルティング」「助言」などのお問い合せは、こちらへお願いいたします。

著者:アイ&カンパニー 入江仁之
脚注:本論文はフィードバックに基づき随時、更新しております。
出典:Office of Strategic Services (January 17, 1944) Simple Sabotage Field Manual
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