ワクワクする組織

日本人の真面目さの裏側にある課題

日本人は真面目で努力家、欧米人と比べるとやり抜く力があるといわれています。確かに単調な作業であっても丁寧に仕事をするところは海外ではお見受けすることは少ないです。

この日本人の強みの裏に、大きな弱みがあります。企業の組織です。これまで大半の日本企業は欧米流経営を取り入れ、計画による管理統制をしてきました。経営が計画を取りまとめ、現場に業務を任せていました。これでは不確実性が増した多面的曖昧性のある現在の社会では機能しません。

企業理念を決めたら、ビジョン、戦略を現場に作らせ任せることが有効です。このような考え方を全面的に取り入れた組織が「ワクワクする組織」です。

「ワクワクする組織」は、現地現物を重視した一部の日本企業で採用され成功してきた組織モデルです。自律的に活動するチームのメンバーが関係組織と協調コラボレーションする組織です。

ワクワクする組織は、最近、欧米企業そして日本企業においても注目されてきています。


自律分散組織


ワクワクする組織は、従業員全員が経営について関心を持ち、ひいては積極的に経営に関与します。この観点で、全員参加の「自律分散組織」ともいえます。

自律分散組織の詳細については、こちらを参照ください。


事業創成、事業転換に適した組織:ワクワクする組織


新たな事業を創成して、事業転換をしていくためには、旧来の事業組織の配下で事業創成チームを編成しても実現するのは困難です。旧来の事業組織はオペレーションに重点があり、保守的に過ちを少なく高効率な運営をすることが重要でかつ要求されるためです。

新たな取り組みをするためには、ワクワクする組織が有効です。事業創成のミッションを与えられたチームを縦横無尽に発足させてイノベーションを起こさせることが重要です。


ワクワクする組織の導入方法論

私どもがこれまでワクワクする組織そして自律分散組織の導入をしてきた経験に基づき指摘できるのが、組織の転換は多次元で包括的に行う必要があるということです。

これまで有効性が証明された導入方法論には、「次世代 働き方改革方法論」PMQIR*をはじめとして様々な方法論があります。これらの方法論は包括的なもので、一部を適用しても成功するものではありませんが、参考までにその一部を紹介します。

ワクワクする組織を導入する際に参考となる設計運用原則があります。米軍のOODAループです。


OODAループ

組織運営方法:OODAループ
米軍のオペレーションはOODAループに基づいています。OODAループは、ビジョンを明確にした上で、権限を現場のチームに与え、現地現物で俊敏な運営をする組織運営の方法です。

組織モデル:SWATチーム
OODAループにより運営される組織が、わくわくする組織の一種になります。少数精鋭チームがテロ組織に対峙して初期ミッションを完遂させます。

装備品:第5世代OODAループ
戦闘機もOODAループに基づいて開発されています。最新の戦闘機は第5世代OODAループに基づいて開発されています。

戦闘モデル:NCW
OODAループに基づいた戦闘が「ネットワーク中心戦、NCW(Network Ccentric Warfare)」といわれます。情報通信技術ICTを駆使した戦闘モデルです。現場に権限が与えられていると同時に、専門家がサポートして初期ミッションを達成させます。

権限:パワートゥザエッジP2E
OODAループに基づく組織運営では、権限が現場に移譲されます。これがパワートゥザエッジP2E (power to the edge)と呼ばれています。


ワクワクする組織の実例

部分的にワクワクする組織を導入している事例は多岐に渡ります。以下にいくつか紹介します。


セムラーイズム(Semlerism)

セムコ(Semco Partners):
ブラジルの経営者リカルド セムラー(Ricardo Semler)が、セムコ(Semco Partners)で実践するのも、ワクワクする組織の一形態になります。

彼は親から経営を引き継いだセムコを立て直すために、徹底して従業員中心で経営のすべての局面を変え、飛躍的な成長を果たしました。例えば、以下の取組みをしています:

・経営会議には自由席が2席用意されていて、誰でもが参加できます。
・従業員は自分で給料を決められます。
・上司は自分が決められます。
・就業時間は自分が決められます。

これらの取り組みの結果、以前は月曜の朝に会社に行くのが憂鬱ということがなくなりました。日曜日に会社の仕事をしなくてはならない時にはストレスだったのが、いつ仕事をしてもやりがいを感じるようになりました。


ホラクラシー(Holacracy)

自律を徹底すると、管理職を無くし意思決定のサークルにした組織モデルが考えられます。これがホラクラシー(Holacracy)型組織です。ホラクラシーもわくわくする組織といえるでしょう。ホラクラシーはリーン生産方式の思想に影響を受けています。その意味でトヨタ生産方式が根底にあるといってもいいかもしれません。

ザッポスなどが導入して注目されています。しかし、ザッポスはハイアラーキー組織からホラクラシー組織へトップダウンで移行し、2015年には離職率が30%に達し、2016年にはベストプレイス(Fortune magazine’s Best Places to Work)から脱落しています。

これらの事例からも、特にホラクラシー組織は一朝一夕に導入して成功するものではないことが明らかです。ワクワクする組織についても同様なことがいえます。


ワクワクする組織の成功要因


ワクワクする組織の導入は一朝一夕には行きません。トップダウンで移行して成功するものではありません。組織の文化を変えていく必要があるためです。顧客中心の文化が徹底された企業で、長期的にボトムアップで取り込み採用することにより成功しています。

導入を成功させるためには、以下を注意する必要があります:

  1. 各チームに権限委譲されている環境を作ります。
  2. 各チームが数年後に達成する姿、ビジョンを決めます。
  3. ビジョン実現のために実行すべき方策である戦略、そして直近の一、二年の活動方針を定めます。従来の目標管理制度や方針管理を含む組織改革を行います。ここでの作業には「次世代 組織改革 目標管理方法論」VSAが適用されます。
  4. チームのビジネスケースを決め、必要に応じて、トップマネジメントとの間でビジョン・戦略およびビジネスケースについての合意を得ます。
  5. チームに能力的に最適任と思われる人を様々な組織から集めます。特にリーダーにはHIPO(潜在能力が高い人)を抜擢します。一般的に、メンバーは専任と兼任の混成になります。リーダーは専任になることが望ましいです。

日本企業の成功事例

これまで、私どもアイ&カンパニーでは、日本の主要産業のトップ企業に対してワクワクする組織への転換のコンサルティングをして参りました。抜本的な改革が進み、大きな成果が出てきております。競合他社が気付いても追いつかない段階に来ましたら、公にご紹介できるものと考えております。


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