ガラパゴスPDCA

PDCAサイクルを仕事全般に使っているのは世界で日本だけです。

PDCAと欧米人に言っても伝わりません。欧米企業のマネジメントでPDCAは使われていません。PDCAは日本特有のものです。

視野を広げて、PDCAがガラパゴス化していることをわかっている必要があります。

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日本企業の成功の呪縛

成功体験

戦後の右肩上がりの経済成長時代に、多くのグローバル日本企業は、製品の品質管理により成功してきました。統計的品質管理 SQC Statistical Quality Contorl による活動です。

生産技術においてSQCの中心的なツールがPDCAでした。計画をしてその結果を制御して改善をしてきました。

このPDCAによる成功体験が、時代の変化に取り残されるリスクになっています。変化する環境では人間的要素を除外した形式的な計画が、本質を見極め行動していくためには制約になっています。形式的な計画策定がムダになってきています。

VUCAの時代にガラパゴス化

環境が変化するVUCAの時代には、計画は環境と認識の不一致を助長することになります。環境が変化し、人間的要素が重要になっている状況では、従来型の計画は形骸化していきます。

時代は、先行きの見えない世界を迎えています。変化する環境で生き残るためには、PDCAはガラパゴス化する要因になってしまいます。


欧米企業の事例

欧米では、例外的にPDCAという言葉が使われているのは機械的に管理できる生産技術領域です。

リーン生産方式として日本的生産技術が導入されています。リーン生産方式はNPSやトヨタ生産方式を欧米に導入するコンサルタントが提言している概念です。

経営でPDCAを回していません。


シリコンバレー企業の事例

例えば、シリコンバレー企業では、誰も期が終わって終わった期の振り返りなどしてません。競合、技術、お客様などの環境がどう動いて自分がどうしたらいいかと次の期のことに集中しています。振り返って過去のことを検証するよりも、これからの状況を研究しそのために有効な行動を経験を踏まえて考えないと勝ち残れません。

製品に不具合が出たら、次の製品更改、次のバージョンで対応します。過去ではなくて新しい情況を前提にアクションをとります。

次から次に最新の情況に適応してチャレンジを続けています。PDCAの思想からは出てこない発想です。


リーンスタートアップ

リーンスタートアップも、OODAの考え方に基づいています。

環境との相互作用を前提に何度も成功するまで検証します。

リーンスタートアップ Lean Startup とは、シリコンバレー起業家エリックリース Eric Ries が提唱しました。新規事業立ち上げや起業などのための方法です。

シリコンバレーで、多くのスタートアップ Startup(立ち上げ)で採用されています。

リーンとはアメリカで普及している専門用語です。ムダをとっていく考え方がリーンです。トヨタウェイが日本企業の成功要因とされ、トヨタ生産方式、トヨタ開発方式、そしてNPSがアメリカで紹介される際にリーンという言葉が使われました。


グーグルの事例:OKR

グーグルなどでは、計画ではなく、OKRを使っています。OKRは目的を明確にすることに重心をおいています。

OKRとは Objective and Key Result 目的と主要成果です。目的に対してどのような成果が出ているかを把握します。

日本企業で多く使われているKPIと異なります。KPIは指標が一人歩きしています。目的に関係なく、KPIで設定された計画が主導することになってしまいます。


セールスフォースの事例: V2MOM

セールスフォースSalesforce社は、計画ではなく、V2MOMを使っています。

V2MOMは、Vision、Values、Methods、Obstacles、Measuresです。ビジョン、価値、方法、障害、指標のことです。ビジョンを明確にしてどのような状況下を把握します。


デジタルネイティブ企業 と ガラパゴス企業

デジタルネイティブ企業

これらシリコンバレー企業に代表される新興デジタル企業は、デジタルネイティブ企業 Digital-native Companies といわれます。

デジタルネイティブ企業は、ゼロベースで組織を作ってきました。このため、社員は人間本来の考え方「みる・わかる・きめる・うごく」に基づいて行動しています。最初からOODAに基づいていました。

ガラパゴス企業

一方の歴史ある伝統大企業や新興企業であっても大企業の思考を暗黙のうちに持ち込んでいた企業は、デジタルネイティブ企業のようには行きません。これら有名企業は、無意識のうちにガラパゴス企業となっています。

ガラパゴス企業にとっては、ガラパゴスからの脱出は容易ではありません。


ガラパゴスからの脱出事例

ガラパゴス企業は、計画で指示をしてチェックしてきたこれまでの思考を変えなくてはなりません。意識改革そして企業文化改革が必要です。

ガラパゴスから脱出するために成果を上げているのが、世界観:VSAを使った意識改革です。

また、VSAを使った目標管理が成果を出しています。シリコンバレー企業のOKRやV2MOMなどの制度を日本企業の風土に合わせて改良されてきたものです。

世界観:VSA」の詳細は、こちらに紹介しています。


OODA本の出版

私たちアイ&カンパニーは10年以上にわたりPDCAそしてOODAを先進企業に実装するお手伝いをしてまいりました。あわせて本稿や講演などをとおして多くの意見をいただいてきました。これらを踏まえ日本社会をよりよくするために、OODA本の構想を練ってまいりました。

現在、みなさま方と一緒に書籍を作って行くために、本の内容についてご要望ご意見などをお伺いしております。

アンケート」をこちらにてお願いします。ホワイトペーパーをお礼に贈呈します。

 

著者:アイ&カンパニー 入江仁之
脚注:本論文はPDCAの品質統制での適用について議論をするものではございません。
脚注:本論文はフィードバックに基づき随時、更新しております。
脚注:OODAの研修・実装の詳細はこちらを参照してください。
出典:本論文は2005年以来のOODA実装結果に拠る提言です。参考文献こちらです。
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