第6世代 経営戦略

次世代経営戦略

経営戦略を戦闘機の世代の変遷に対応付けて整理すると、新たな気づきが得られます。

戦闘機は、ジェット機の登場の第1世代から第5世代そして次世代の第6世代まで発展を続けています。


第1世代経営戦略:大航海時代(1602年以降)

第1世代戦闘機(1st Generation Jet Fighter, 1st Generation OODA):
第1世代戦闘機は第2次世界大戦末期に登場しました。Messerschmitt Me 262 、F-86 SabreそしてMig-15が代表です。視界での操縦によるものでした。大量破壊兵器の登場の前の時代です。朝鮮戦争でジョンボイド指揮するF-86 SabreがMig-15と戦いました。その際の経験に基づいた方法をOODAループとして理論化しました。第1世代OODAと位置付けられます。

第1世代の戦い(1GW, 1st Generation Warfare):
戦いを世代で分類すると、第1世代の戦いは銃や剣で武装した歩兵部隊が前進していき前線で相手と戦う形態です。人類史上最初の戦いで、日本の戦国時代や、フランスのナポレオンの戦い、アメリカの南北戦争などがこの形態になります。

第1世代経営戦略:
第1世代の経営戦略は、産業革命以前と捉えることができると思います。1602年に設立されたオランダ東インド会社から始まる貿易事業が代表といえるでしょう。

植民地政策などが主な経営戦略でした。


第2世代経営戦略:産業革命(1770年以降)

第2世代戦闘機(2G Jet Fighter, 2G OODA):
第2世代戦闘機は1960年代初頭までに登場したF-104 Starfighter、MiG-19などが代表です。冷戦の時代です。大量破壊を目的にした地上攻撃のための投下爆弾が主な兵器でした。第2世代OODAになります。

第2世代の戦い(2GW):
第2世代の戦いは大量破壊兵器を中心とした消耗戦をいいます。第1次世界大戦の主な戦いがこれにあたります。圧倒的火力により相手の戦闘能力の破壊が目標になります。

第2世代経営戦略:
第2世代の経営戦略は、1770年代の紡績機の登場、1800年の蒸気機関車、鉄道の登場から始まる産業革命後の経営と捉えられます。工場制機械工業の登場により大量生産、大量販売の経営が出現しました。

繊維産業から始まるイノベーションが産業革命を主導しました。


第3世代経営戦略:第2次産業革命(1875年以降)

第3世代戦闘機(3G Jet Fighter, 3G OODA):
第3世代戦闘機は1960年代以降に開発されたF-4 Phantom、MiG-21R / SM / MFを代表とします。東西冷戦の継続により、歴史的に最大規模の戦闘機機体数が生産されました。特徴は大量破壊の強化、そして機動性の向上です。第3世代OODAになります。

第3世代の戦い(3GW):
第3世代の戦いは機動戦をいいます。第2次世界大戦初期のドイツのフランス信仰が初めてのもので、その後冷戦時代にソビエト連邦軍が想定していた戦いです。機動による精神的戦闘能力の破壊が戦いの目標になります。

第3世代経営戦略:
第3世代の経営戦略では、1875年のカーネギー製鉄所創業、1908年のフォード自動車創業から始まる産業革命 第2フェーズを対象と考えることができます。

鉄鋼業、自動車産業のイノベーションが第2次産業革命を主導しました。


第4世代経営戦略:情報革命(1971年以降)

第4世代戦闘機(4G Jet Fighter, 4G OODA):
1970年代に設計された第4世代戦闘機が、ジョンボイドが設計に参画したF-15 Eagle、F-16です。この機体の設計からOODAが実装されました。これが第4世代OODAとなります。第4世代は「空中戦」のための機動性に焦点を当てていました。第3世代に対しての特徴は、音速の実現とデータリンクです。長距離空対空ミサイルが実装されました。

第4世代の戦い(4GW):
第4世代の戦いは非対称の戦いです。テロ攻撃のようにテロ組織が仕掛ける戦いをいいます。テロによる精神的戦闘能力の破壊が戦いの目標になります。

第4世代経営戦略:
第4世代の経営戦略では、1971年に発明されたMPUの登場以降が該当すると考えます。この後、経営にコンピュータが導入され、事務処理計算の自動化によるスピードそして効率性向上が実現されました。

第4世代経営戦略とは、スピードと機動性を活かした製品戦略と考えることができます。マイケルポーターの競争戦略が想定していた競争環境です。プロダクトの差別化戦略とコストリーダーシップ戦略が有効でした。情報技術が発達して、事務処理の自動化が始まりました。規模の経済性によるコストリーダーシップが有効です。

情報技術の発達は、顧客の業務プロセスの効率化そして受託処理まで可能にさせます。顧客ソルーション戦略が、プロダクト戦略の選択肢に加わりました。

また、ビジネスインテリジェンス、ナレッジマネジメント、アナリティクスが導入され始め、見える化が進みました。


第5世代経営戦略:第情報革命(2007年以降)

第5世代戦闘機(5G Jet Fighter, 5G OODA):
第5世代戦闘機は、実践配備されている米軍最新鋭戦闘機F-22 Raptorと日本にも実戦配備中のF-35 Lightningです。第5世代OODAを実装しています。

第5世代の特徴は、ステルス機能そして相手が自機を探知する前の相手を探知する能力の強化です。探知能力は具体的にはシチュエーションアウェアネス(SA、Situation Awareness)と言われています。第5世代でSAを完成させるといわれています。

自分でロックオンして自分で撃つ。敵を圧倒するスピードと想定外の事象が起きないような想定能力の強化です。

第5世代の戦い(5GW):
第5世代の戦いは2000年代に入って情報革命が軍事にもたらしている軍事革命(RMA, Revolution in Military Affair)により実現する戦い方です。国家機能の麻痺が目標になります。

第5世代経営戦略:
第5世代の経営戦略は、2007年のスマートフォンの登場以降の環境に適応するものです。モバイル技術の進歩により、歴史上初めて、世界中の人々がハイテク端末を手にすることになります。

誰もがインターネットにつながることにより、インターネットがビジネスの場、プラットフォームを提供するようになりました。ネットでつながった環境で適用される新たなプロダクト戦略の選択肢の登場です。

初期には、電子商取引、eコマースが出現しました。マッチングビジネス戦略です。続いて、ネットでつながった仮想環境で、参加者同士がつながって新たなビジネスが起きています。プラットフォームリーダーシップ戦略です。マッチングビジネス戦略とプラットフォームリーダーシップ戦略を含んでシステムロックイン戦略ともいわれました。

第5世代経営戦略の特徴は、敵を圧倒するスピードと想定外の事象が起きないような想定能力の強化です。スピードの向上は事業ライフサイクルの短命化をも引き起こしています。事業ライフサイクルの段階を認識した事業展開の戦略が必要になります。事業ライフサイクル戦略です。これは、ほとんどの企業が考えなくてはいけない、必須の経営戦略です。

事業ライフサイクル戦略を効果的に遂行できずに、退場している大企業が増えています。事業ライフサイクル戦略を包含する戦略オプションがテトラモデルといわれます。

戦略を構築するには、気づきを得るように包括的なフレームワークで環境の認識をする必要があります。いわゆるシチュエーションアウェアネス(SA、Situation Awareness)を完成させていくことになります。


第6世代経営戦略:知能革命(2025年以降)

第6世代戦闘機(6G Jet Fighter, 6G OODA):
第6世代戦闘機は、2025年から2030年ごろに実践配備されることを想定した次世代戦闘機です。防衛省やボーイングなどが構想を発表しています。超音速巡航と、他の戦闘機や装備と連携したオペレーションを行います。

クラウド・シューティング:
これにより、ネットワークでつながった戦闘機、大型機、無人機などの群れの中 からセンサー、火器の資源を最適に活用して、誰がロックオンしても誰からでも撃てる、撃てば必ず当たるシステムとなります。クラウド・シューティングといわれるものです。感知と攻撃を別の機体が対応する組織対応が特徴です。

戦闘機だけではなく、戦闘自体について、次世代の第6世代戦闘も研究が進んでいます。

第6世代経営戦略:
コンピュータが人類の知性を超え、人間が人工知能 AI に追いつけなくなる技術的特異点 (singularity) は、2045年に起こるとグーグルのAI責任者レイモンド カーツワイル Ray Kurzweilが予言していました。

しかし、2016年には人工知能がチェス、将棋に加えて囲碁で世界チャンピオンを破りました。

全ての人に、全てのコトとモノがつながったIoE、IoT環境が出現しています。この環境に適応するのが、第6世代経営戦略です。

ここでは、ビジョンを全員が共有して自律的に行動することが求められます。究極の自律分散、ネットワーク組織が環境に適応できるといえます。

第6世代経営戦略には、第6世代戦闘機のコンセプトが参考になります。現場の情報を組織全体で共有して協力して事業遂行するモデルです。

第6世代でOODAが完成すると考えられます。


OODAの経営への実装の段階

先進企業はすでにOODAで運営しています。PDCAの代表としてトヨタが紹介されていますが、経営の方々は実態はOODAになっているとおっしゃられています。何よりも、OODAループを提唱したジョンボイド自身が、トヨタがビジネスの世界で最も成功しているOODAを適用している企業であると言っています。
私どもが関わらさせていただいている企業のトップマネジメントの方々は例外なくPDCAではなくOODAが必要である、自律分散の機動性の実現が重要であると賛同されていらっしゃいます。
環境変化への組織的な適応力を備えた第6世代経営戦略の遂行の段階を迎えようとしています。第6世代経営戦略を実現するのに有効な方法論が「次世代 組織改革 目標管理方法論」VSA*、「次世代 働き方改革方法論」PMQIR*などです。
私どもの提言「OODA:PDCAでは生き残れない」を参照ください。

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